2026.05.22
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日本の歴史を辿る、ならまち1デイ・トリップ
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国家、日本は奈良から始まった
飛鳥・奈良時代と約200年に渡って奈良は日本の政治、文化の中心だった。というより奈良は日本が国家として始まった土地。律令と呼ばれる法と外国から渡来した仏教文化をベースに華やかな街が築かれた場所だ。
8世紀の終わりに都は京都へと遷されるが、皮肉なことにこれが当時建てられた塔や仏殿が1400年もの時を経た今も現存する理由となった。政治の中心地でなくなったことで、その後この国でおきた数えきれないほどの戦禍や大規模な都市開発を逃れることができたのだ。
日本史に燦然と輝く寺社のある街
一方で由緒ある寺社の門前町としての役割はその後も長く続く。奈良には『古事記』や『日本書紀』にも登場する古社や日本最古の古刹などがいくつもあり、神道、仏教という日本人にとっては単なる宗教的聖地というより文化、あるいは生活様式そのもののルーツとなっている。
寺社とその宝物を守るため、宮大工や仏師、絵師や仏画師などの職人集団も形成された。その裾野は実に幅広く、瓦や仏具はもちろん、僧の使う墨や大仏様のお身拭いにも使われるふきんなど、多岐に渡っている。飛鳥時代から脈々と続いてきた寺社を中心とする暮らしそのものが、日本が経てきた各時代を垣間見せるタイムカプセルともなっている。
「ならまち」を構成する町屋を拝見する
飛鳥期から近・現代に至るまで奈良で営まれてきた暮らしの歴史が残る「ならまち」。もともと元興寺の門前町として栄え、境内が縮小するにつれて町屋が建てられてきたエリアだ。現在も江戸時代以降に整えられた碁盤の目状の町割りに築90年、100年を越す町屋が軒を連ねていて路地の散策が楽しい。
古い町屋を改装して営むカフェやレストランも点在する。その先駆けとなった1軒がカナカナ。素朴だが丁寧に調理された和の定食のほかカレーやドリア、コーヒー、スイーツなども好評を博す。
伝統的な町屋をじっくりと鑑賞するなら「ならまち格子の家」も必訪。幕末~明治期の家屋を再現したもので当地の特徴的な町屋のつくりがわかる。

カナカナ
- 電話番号
- 0742-22-3214
- 住所
- 奈良市公納堂町13
- 営業時間
- 11:00~18:30(LO)
- 休業日
- 月曜(祝日の場合は翌日)
- アクセス
- 近鉄奈良駅から徒歩15分
- 駐車場
- なし
『おとな旅プレミアム 奈良 大和路』P.39
世界遺産、国宝にも指定される往古の官大寺
「ならまち」はもともと元興寺の門前町とその境内だった場所で、いまも元興寺は街の中心的存在。前身は日本最古の寺院である飛鳥の法興寺で、平城遷都の折に蘇我氏寺から官大寺となって現在の場所に移された。
当時の伽藍は現在のならまちを含む猿沢池の南西部一帯を占めるほど広大で、今も残る極楽堂(極楽坊本堂)や禅室(極楽坊禅室・春日影向堂)、五重小塔は国宝に、東門、板絵智光曼荼羅、木造阿弥陀如来坐像、木造聖徳太子立像などは重要文化財に指定されている。
「ならまち」にはほかにも御霊神社や庚申堂、十輪院など古くから信仰されてきた古刹が点在している。

元興寺
- 電話番号
- 0742-23-1377
- 住所
- 奈良市中院町11
- 参拝時間
- 9:00~17:00(入山は~16:30)
- 休業日
- 無休
- 拝観料
- 700円
- アクセス
- 近鉄奈良駅から徒歩12分
- 駐車場
- 10台
『おとな旅プレミアム 奈良 大和路』P.37、P.41
奈良時代から続く伝統工芸の奈良筆
飛鳥時代以来、奈良には寺社の建物や宝物を維持するための高度な職人集団が形成されてきた。宮大工や仏師がその代表だが、寺社を支えてきたさまざまな専門職が今も高いクオリティの品物を作り続けており、「ならまち」にはこれらの伝統を受け継ぐ工芸品の名店が多い。
奈良筆 田中では伝統工芸師の田中千代美さんが国産材料にこだわって制作する筆を販売。書画用のほか、紅筆やフェイスブラシなど化粧用もあり、その使い心地の良さは量産品とは別格だ。
工房兼ショップの2階では筆袖くり込み・穂首仕上げと筆作りの最終工程が体験できる。

奈良筆 田中
- 電話番号
- 090-8483-4018
- 住所
- 奈良市公納堂町6
- 営業時間
- 11:00~17:00
- 休業日
- 不定休
- アクセス
- 近鉄奈良駅から徒歩15分
- 駐車場
- なし
『おとな旅プレミアム 奈良 大和路』P.122


