2026.03.19
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東京、春~初夏の花景色
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厳しい寒さが緩み、列島は花の季節に突入
春は花の季節。なかでも日本では桜が別格の扱いで、開花情報や桜前線の北上がすべてのニュース番組で取り上げられて国じゅうが固唾を飲んで見守っているといった様相。美食の国、フランスではその食事のために旅行する価値のあるレストランかどうかを評価するガイドブックが作られたが、本邦では各旅行会社が桜を見に行くツアーを企画して毎年人気を集めている。
が、春から初夏に掛けてのシーズンを彩る花は桜だけではない。牡丹にネモフィラ、木蓮、チューリップに菜の花、藤。バラやマーガレット、つつじも見頃だ。色も形も香りもとりどりの花々が地や木に咲き誇る。
喧騒の都会にあって優美な花の名所3選
年に一度、桜を見ないと気がすまないのは日本人としての初期設定のようなものだが桜の季節は短い。新生活や年度替わりの忙しなさで見逃してしまう春や、心の余裕がなくて充分に楽しめない年もある。もし、今年は忙しくて花見の計画が立てにくいというのなら桜以外の花の名所を訪ねるのも一案だ。
気軽にアクセスできる近場にあって日常とはまったく別の世界に飛び込むような感覚が味わえる場所がいい。都内の古社名刹の境内を彩る花の名所はどうだろう。牡丹、つつじ、藤と日本で古くから親しまれてきた花々を江戸時代以前の人々と同様の風情で楽しむ。周囲はビルや喧騒に包まれているが、1歩足を踏み入れると日常どころか時代まで飛び越える華やかな別世界が広がっている。
震災、戦災を逃れた幸運の社と満開のつつじ
日本武尊が東征の折に創祀したという由緒ある古社。現在、根津神社が建つのは甲府宰相徳川綱重の山手屋敷だった場所で社殿は5代将軍、綱吉公が封建したもの。ここにつつじが植えられたのはまだ綱重の屋敷だった頃のことで、弟であり、後の5代目将軍、綱吉公が上州館林藩主であった縁でつつじの名所、館林からキリシマツツジが移植された。
現在の境内で見られるつつじは戦後に植えられたもので、約100種、3000株。根津神社は震災、戦災被害を奇跡的に免れた幸運のお社としても知られているが、そのおかげで令和のいまも江戸期そのままの建物に赤やピンクの花々が映えるさまが楽しめる。2026年の「文京つつじまつり」は4月1日~30日まで。

根津神社
- 電話番号
- 03-3822-0753
- 住所
- 東京都文京区根津1-28-9
- 参拝時間
- 9:00~17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- アクセス
- 東京メトロ千代田線・根津駅から徒歩5分
- 駐車場
- あり
『旅コンテンツ 完全コレクション 四季の花景色』P.223
浮世絵そのまま。太鼓橋と藤の風景
天神さまのシンボルと言えば真っ先に思い浮かぶのは梅だが、亀戸天神は2月上旬から3月上旬にかけての梅、4月半ばから終盤の藤、10月下旬から11月半ばの菊とそれぞれに美しく、花の天満宮とも呼ばれている。
なかでも有名なのが藤。江戸時代のはじめ、初代宮司が当時周囲が湿地だったことから乾燥を嫌う藤を植えたのが始まりとされ、江戸期を通じて人気を博した。5代将軍、綱吉や8代将軍、吉宗も訪れたほどの名所で、歌川広重、葛飾北斎などの浮世絵師や明治期に日本を訪れた西洋人画家もたくさんの絵を残している。
藤の季節に開催される藤まつり期間はたくさんの屋台が出て賑やか。夜のライトアップも美しい。

亀戸天神社
- 電話番号
- 03-3681-0010
- 住所
- 東京都江東区亀戸3-6-1
- 参拝時間
- 8:30~17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- アクセス
- JR亀戸駅から徒歩15分
- 駐車場
- あり
『旅コンテンツ 完全コレクション 四季の花景色』P.222
都心にあるとは思えない。緑豊かな牡丹寺
大輪でゴージャスな牡丹の花。原産地は中国だが日本でも古くから人気があり、『源氏物語』や『枕草子』にも登場する。これらの作品が書かれた平安時代、京で流行したのが初瀬詣(はつせもうで)で、貴族たちは「花の御寺」と呼ばれる奈良の長谷寺に足繁くお参りをしたという。
東京の新宿にある薬王院はこの奈良の長谷寺の末寺。境内には奈良の長谷寺から移植された牡丹が約40種、800株という規模で栽培されている。境内は広く、新宿という都心にありながら緑が豊かで野鳥の姿も多い。牡丹の見頃は4月半ばから下旬にかけてで、敷地内の高低差を利用した懸崖造りの本堂をバックに赤やピンクの花が咲く優美な風景が広がる。

薬王院
- 電話番号
- 03-3951-4324
- 住所
- 東京都新宿区下落合4-8-2
- 参拝時間
- 9:00~17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- アクセス
- 西武鉄道新宿線・下落合駅から徒歩5分
- 駐車場
- なし(ボタン見学用の場合)
『旅コンテンツ 完全コレクション 四季の花景色』P.184


