2025.10.24

, 国内

山の紅葉、城、宿場町

会津を拠点に多彩な秋の絶景を満喫

  • 東北
  • 観光名所
  • 絶景

城下町で育まれた豊かな文化を味わう

会津はいい。城下町ならではの歴史と文化、風情があり、温泉も素晴らしい。山間地なので野菜や米が豊富で、なにより酒がうまい。会津エリアだけで30を越す数の酒蔵があり、日本酒品評会の受賞歴も多い。

土地柄、海の幸には恵まれなのだろうと思うが、これもまた質、量ともに充実している。常磐ものと呼ばれる福島県内、太平洋側産の魚はもちろん、歴史的に新潟との交流が盛んで日本海側の魚介も入る。今ほど物流が進んでいなかった時代に発達した郷土料理に昆布や鰊といった乾物が多く使われているのも、北前船が新潟に運んだ品々が会津に届くシステムが確立していた証左だ。

錦繍の山中を走る絶景のローカル鉄道

近代、その会津と新潟を結ぶ重要なルートの一部を担ってきたのが只見線。会津若松と新潟県魚沼市の小出駅を結ぶ全長135Kmの路線で沿線は絶景スポットの宝庫だ。路線名にもなっている只見川の流域は山が深く、ブナ、カエデ、ナラといった広葉樹に覆われているため秋の紅葉が見事。その素晴らしい紅葉の山にこれまた美しい橋が数多掛かる。木々、山々といった自然の中に多様かつ見目麗しい人工の橋が掛かる様は圧巻の一語に尽きる。

また、沿線は豪雪地帯でもあるため只見線と並行して走る国道252号線は冬季、通行止めになるが只見線が雪のために運行するのは稀。木々、あるいは橋々に雪が積もった冬景色も楽しめる。秋から冬に掛けての山の景色を愛でるのに絶好の路線だ。

旅の拠点、会津の街を見守る絶景の城

只見線絶景旅の起点となるのが会津若松。街のシンボルは名城、鶴ヶ城だ。戊辰戦争の折には薩長軍の猛攻を1ヶ月に渡って耐えた名城で、城からの眺望は絶景。また、城そのものも美しく、白い漆喰と赤瓦のコントラストが凛とした佇まい。街の至るところから見える会津のシンボルでもあり、街から見上げてよし、城から市内を見渡してよしという勝景の城だ。

会津には鶴ヶ城のほか、城下町を一望する飯盛山(→本誌P.173)、会津藩士が保養に訪れたという会津東山温泉(→本誌P.116)などがある。只見線は運行本数が少なく、日の短い秋に絶景を愛でるには早めの時間帯に乗車する必要がある。前泊して会津の街や城、温泉を楽しむプランを立てるのがおすすめだ。

  

鶴ヶ城

     
電話番号
0242-27-4005
住所
福島県会津若松市追手町1-1
チェックイン
チェックアウト
営業時間
開館時間
開業時間
8:30~17:00
開園時間
参拝時間
観光期間
休業期間
休業日
休館日
無休
休園日
入園料
入館料
拝観料
参拝料
料金
410円
アクセス
JR会津若松駅から車で10分
駐車場
あり
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『おとな旅プレミアム 日本の絶景 東北』P.173

春から秋までの運行。童話のような渡し舟

昭和39年(1964)に山の崩落で廃村となった集落への渡し舟がある。深い自然の中を和船が手漕ぎで進むお伽噺のような舟だ。かつては只見川の両岸を結ぶ生活の足だったもので、平成22年(2010)に復活。廃村にはいまもなお古民家や硫黄鉱山があり、なかでも大山祇神社や子安観音、お地蔵さまは度重なる災厄を逃れて続いたことからパワー・スポットとしても知られている。

川霧の中を行く夏の朝夕が人気だが、迫るような紅葉の秋が実は1番のおすすめシーズン。会津檜原駅と会津西方駅の間に位置するアーチ型鉄橋の第一只見川橋梁、会津宮下駅と早戸駅間にある第三只見川橋梁など、只見線沿線の美しい橋の風景と併せて楽しみたい。

霧幻峡の渡し

     
電話番号
0241-42-7211(金山町観光物産協会)
住所
福島県三島町早戸
チェックイン
チェックアウト
営業時間
開館時間
開業時間
7:00~日没(要確認)
開園時間
参拝時間
観光期間
休業期間
休業日
冬季(要確認)
休館日
休園日
入園料
入館料
拝観料
参拝料
料金
2名まで6000円
アクセス
只見線・早戸駅から徒歩3分
駐車場
あり
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『おとな旅プレミアム 日本の絶景 東北』P.118)

江戸時代そのままの街並みを残す宿場町

会津を拠点に訪れたい絶景スポットをもうひとつ。国選定重要伝統的建造物群保存地区の大内宿だ。江戸時代に会津藩主、保科正之が整備した会津西街道の宿場町で、いまも当時のままの景観を残す。500mほど続く街道に茅葺き屋根の古民家が並び、秋には周囲の山が紅葉に染まる。古民家は店舗兼住宅として現在も使われており、囲炉裏で焼いた団子や魚、手打ちの蕎麦などが食べられる。

古い街並みは保つのが難しいが、この大内宿には「売らない・貸さない・壊さない」という3原則を含めた住民憲章があり、茅葺き屋根の葺き替え作業や技術継承をしながら景観保全に努めている。この絶景は住民自らが強い意思で守り続ける努力の賜物でもある。

  

大内宿

     
電話番号
0241-68-3611(大内宿観光案内所)
住所
福島県下郷町大内
チェックイン
チェックアウト
営業時間
開館時間
開業時間
見学自由
開園時間
参拝時間
観光期間
休業期間
休業日
休館日
見学自由
休園日
入園料
入館料
拝観料
参拝料
料金
見学自由
アクセス
会津鉄道・湯野上温泉駅から定期周遊バスで9分。または東北自動車道・白河ICから車で1時間
駐車場
あり
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『おとな旅プレミアム 日本の絶景 東北』P.170

最新記事はLINE公式アカウントでも配信中!
ぜひ「友だち追加」をお願いします。

国内

おとな旅プレミアム

日本の絶景 東北

定価:1,320円(税込)A5

ISBNコード:9784300116432