2024.12.13
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新春に訪れたい東京のパワースポット
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海辺の湿地帯が世界でも屈指の大都市に変貌
東京のパワースポットは徳川家康に縁のある場所が多い。というより、江戸の街そのものが家康公のつくったパワースポットだと言える。
家康が豊臣秀吉の命によって関東に移封された時、江戸は葦が茂る湿地で、城下町として整備できそうな場所は10町(10haほど)という狭さだったと記録されている。家康はこの荒れ野とも呼べる街を大改造。利根川、荒川の流れを変えて治水、水運の基礎を築き、新田を開発し、街道を整え、海岸を埋め立てて港湾、漁業環境を整備するなど、基礎から街を築いた。「水道の水で産湯をつかい…」という江戸っ子の有名な啖呵があるが、これは街に水道が敷設された江戸生まれであることを誇ったもの。インフラの充実度がわかる。
江戸は家康公が入念に創り上げたパワースポット
家康公が都市としての機能以外に力を注いだのが陰陽道の力で江戸全体をパワースポットにしてしまうこと。この点において力を発揮したのが天台宗の大僧正、天海だ。比叡山延暦寺や奈良の興福寺で修行を積んだ僧侶で、出自については謎が多く足利将軍の落胤説や秀吉軍の追跡を逃れた明智光秀だとの説もある。ともあれ学が深く、天文道や暦、すなわち陰陽道についても相当な知識があったことは間違いない。
天海は大枠から細部に至るまで街にさまざまな仕掛けを施した。まずは江戸にある7つの台地の真ん中に位置し、陰陽道の考え方で気が集まっているという場所に城の本丸を置くよう進言。この城を中心に「の」の字を描くように街を広げていった。
今も参詣者が絶えない江戸の総鎮守
鬼門封じも入念だ。大手町付近にあった神田明神を現在の場所に移し、平安京の鬼門を封じる延暦寺に倣って上野に東叡山寛永寺を建立。裏鬼門には日枝神社と増上寺を配した。神田明神と日枝神社は江戸の総鎮守であり寛永寺と増上寺は徳川家の菩提寺。さらに言えば城の位置はこれらの寺社を結ぶ線の中心にあたる。
大政奉還から158年が経った今でも東京の人々の神田明神への信仰は篤い。氏子区域は神田のほか日本橋、大手町、丸の内と古くからの中心部を網羅。さらに、もともと魚河岸が日本橋にあったため築地市場や大田市場の人々も氏神様として崇敬。毎年、仕事始めの日には境内を埋め尽くすほどビジネスマンが押し寄せる様子が東京の新年を映す風物詩になっている。
神田明神(神田神社)
- 電話番号
- 03-3254-0753
- 住所
- 千代田区外神田2-16-2
- 参拝時間
- 参拝自由(お守りの授与:9:00~16:30、御祈祷:9:00~16:00)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- アクセス
- 各線・御茶ノ水駅から徒歩5分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム 東京』p.103
参道や周辺の賑わいも楽しい浅草の街
もうひとつ、江戸の鬼門を封じているのが浅草寺で日枝神社と江戸城本丸を結ぶラインの延長線上にある。
浅草寺の縁起は推古天皇36年(628)。宮戸川(現在の隅田川)で漁師の網に掛かった観音像を祀ったのが始まりだという。その後、天台宗の高僧、慈覚大師の尽力などもあり寺は次第に発展。鎌倉時代から安土桃山時代に掛けては源頼朝の参詣や足利尊氏ら武将たちの庇護を受け関東を代表する霊場となっていく。
天海はこの浅草寺を徳川幕府の祈願所とするよう家康公に進言。天台宗の古刹であること、徳川家のルーツである源氏の武将たちに信仰されてきた寺であること、さらに江戸の鬼門に位置していることが理由であった。
浅草寺
- 電話番号
- 03-3842-0181
- 住所
- 台東区浅草2-3-1
- 参拝時間
- 6:00(10~3月は6:30)~17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- アクセス
- 各線・浅草駅から徒歩5分
- 駐車場
- なし
『おとな旅プレミアム 東京』p.60
毎年、初詣の参拝者数は都内で最大。その数約300万人
家康公縁ではないパワースポットをひとつ。大正9年(1920)、第122代の明治天皇とその皇后、昭憲皇太后をお祀りするために創建された明治神宮だ。このお社、ほかに例を見ないことだが、両陛下をお祀りしたいという国民の熱烈な願いによって建立された。都会の真ん中に広がる約70万m2もの森は創建以前からあったものではなく全国から献木された10万本を植樹したもので、当時の気運の高さが窺い知れる。
境内には夫婦円満や恋愛運の夫婦楠、長寿の亀石などパワースポットが点在するが、中でも武将、加藤清正が自ら掘ったという清正井は、風水で富士山から皇居(江戸城)へと向かう龍脈上の龍穴だとされ、エネルギーを得ようと携帯の待ち受けにする人も多い。
明治神宮
- 電話番号
- 03-3379-5511
- 住所
- 渋谷区代々木神園町1-1
- 参拝時間
- 日の出から日没まで(月により異なる)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 御苑維持協力金500円
- アクセス
- JR原宿駅/地下鉄・明治神宮前(原宿)駅から徒歩1分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム 東京』p.102