2024.10.25
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日本海沿いを北上する水辺の絶景ドライブ
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ルート上には紅葉、バラ、水仙と草木の美景が展開
長い夏がようやく終わりを告げ、秋・冬の景色や味覚が堪能できる季節となった。紅葉や果物狩り、脂ののった魚など寒さがもたらす楽しみは尽きないが、今回おすすめしたいのが福井県沿岸を北上するドライブ・ルート。
出発地は三方五湖。江戸期に湖同士、さらには若狭湾へと繋がる水路が設けられたため、各湖、それぞれ淡水から海水まで塩分濃度が異なっており、水の色が微妙に違って見える。湖を繋ぐ県道273号(レインボーライン)から、あるいは県道沿いの山頂テラスから望む湖と海のパノラマはまさに絶景。秋は水と空の青に紅葉の色がよく映える。また、11月下旬までのこの時期、山頂公園で見ごろを迎えるバラもきれい。110種、600株と圧巻の花景色だ。
若き日の紫式部が暮らした越前の地
『万葉集』にも描かれる古くからの景勝地、気比の松原に立ち寄り、越前海岸を目指す。今年の大河ドラマ『光る君へ』の主人公、紫式部ゆかりの土地でもあり、日本海らしい深い青を複雑な海岸線が縁取るリアス式海岸が続く。越前ガニや若狭ふぐ、劇中で式部も堪能したウニなど、数多の美味を育む豊穣の海だが、越前海岸の楽しみはグルメだけではない。一帯は全国でも最大の栽培面積を誇る水仙の名産地で、12月下旬から2月にかけて白と黄の凛とした花がいっせいに咲き誇る。
最終目的地の鉾島、東尋坊は言わずと知れた景勝地。波に侵食されて造られた荒々しくも見事な絶景で、ことに夕日の沈む時間帯は素晴らしい。
静岡県、三保の松原、佐賀県の虹の松原と並ぶ日本3大松原
国の名勝でもある海辺の松林。「名勝」は眺めが美しいだけでは選定されず、芸術的に、あるいは学術的価値が高いもののみが名勝となるが、この松原は『万葉集』や『日本書紀』に登場し、中世以降も歌川広重の浮世絵や松尾芭蕉、勝海舟、高浜虚子などの句や詩に登場。大河ドラマ『光る君へ』では、吉高由里子演じる紫式部が父の越前赴任に帯同し、この地にあった渤海使のための迎賓館、松原客館を訪れたり、宋から来た若い医師(松下洸平)に宋の言葉を習ったりしていた。
敦賀湾沿い1kmに渡って続く松林は名勝の選定基準の1つである「我が国のすぐれた国土美」というにふさわしく、海水浴客が訪れる夏はもちろん、冬の雪景色も素晴らしい。
気比の松原
- 住所
- 福井県敦賀市松島町
- 駐車場
- 50台(海水浴場開設中は有料)
『旅コンテンツ完全セレクション 息をのむ絶景ドライブ 西日本』p.166
大海原の眼前に位置する道の駅
アンテナショップにも食事処にも地元の海の幸が豊富に揃っており、食事やおみやげ探しを目的に訪れる旅行者は絶えないが、11月に入ると越前がに漁が解禁となり、これを目当てに訪れる人が増える。とくに身が詰まっておいしくなるベストシーズンは12月から2月の寒い時期で、道の駅でも越前がに朝市などのイベントがたびたび開催されて活況を呈する。
季節を問わないが、併設の越前がにミュージアムも楽しい。越前がにの生態を学ぶ大スクリーンや、カニ漁船の操業シュミレーターなどが設置された体験型ミュージアムで、特に子供と一緒に訪れるファミリーにはおすすめ。雄大な日本海を眺めながら入浴できる温泉も必訪だ。
道の駅 越前
- 電話番号
- 0778-37-2360
- 住所
- 福井県越前町厨71-335-1
- 閉館時間
- 9:00~17:00(施設、季節により異なる)
- 休館日
- 火曜
- 駐車場
- 215台
『旅コンテンツ完全セレクション 息をのむ絶景ドライブ 西日本』p.167
波に侵食されて造られた岩と海の絶景
福井県を、というより日本を代表する崖の風景で、もちろん、国の名勝、天然記念物にも指定されている。安山岩の柱状節理が続く1kmの崖は世界でも珍しく、高さは最大で20m以上にも及ぶスケールの大きな絶景だ。
夕日の名所としても知られ、日没の瞬間、陽光が緑色に輝くグリーンフラッシュが見られることもあるという。
観光開発も進んでいて駐車場から崖までのルート上は食事や買い物ができる商店街になっており、越前がになど、地産の新鮮魚介をたっぷり載せた海鮮丼、浜焼きの貝やイカなどが味わえる。
東尋坊
- 住所
- 福井県坂井市三国町東尋坊
- 駐車場
- 150台