2024.08.09
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宮古島伝統の宮古そばを食す
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たくさんの島々で成る沖縄は、そばも多彩
沖縄そばと言えば、カンスイを加えた小麦粉麺を用い、豚とカツオをメインに昆布、トリ、椎茸などを合わせた出汁、島ネギ、ショウガに加えてラフテーやソーキなどの豚肉料理をトッピングしたスープ・ヌードルをイメージする。が、少し細かく見てみると県内でも島や地域によってバリエーションはさまざま。沖縄生麺協同組合によると麺そのものも地域性があるようで、モチっと固めの平麺は沖縄本島の北部で、スープの絡みがよいちぢれ麺は那覇を中心とする南部で、ツルッとした喉越しが身上の丸麺は石垣島を中心とした離島で好まれているという。宮古島のそばは分けても個性的で、とくに区別して宮古そばと呼ばれている。
画像:USSIE / PIXTA(ピクスタ)
一見シンプル、実は豪華な宮古そば
今では豪華な見栄えも大切だと判断する店が増えたためか、だいぶ変化してきているが、かつて宮古そば最大の特徴は具材を麺の下に沈めて配置することだった。一見、ネギが散らされただけのプレーンなそばに見えるが、箸を入れてみると三枚肉やカマボコが隠れているといった具合で、年貢を取り立てる為政者に対し、そばに具も載せられないほど困窮しているのだとアピールしていたらしい。麺はストレートで縮れはない。テーブルには沖縄そば定番の調味料、コーレーグースと共にカレー粉が用意されている。好みで加えるものだが、あっさりとした宮古そばのスープに香辛料がよくあう。具材の三枚肉、ソーキから滲み出す煮汁とも相まってクセになる味わいだ。
画像:USSIE / PIXTA(ピクスタ)
麺の下に具材が隠れた伝統スタイルの宮古そば
約50年続く老舗で、もともと地元で人気の食堂だが、近年、旅行者にまで評判が広まっており、いつも満席状態。野菜炒めやポーク玉子などメニューは多いが、まず注文したいのが宮古そば。カツオとブタのスープに麺とネギのみが見える昔ながらの盛り付けで、中には柔らかいロース肉とカマボコが置かれている。食べ進める途中、卓上のカレー粉を振り入れれば、優しい塩味の出汁が劇的に変化する。ソーキや三枚肉、テビチがトッピングされたそばも美味。家族経営ならではの温かいサービスも居心地がいい。
大和食堂
- 電話番号
- 0980-72-0718
- 住所
- 宮古島市平良西里819-3
- 営業時間
- 9:40~15:30(~11:00はそばのみ提供) 17:15~18:30
- 休業日
- 火曜
- アクセス
- 宮古空港から車で8分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム 石垣・竹富・西表・宮古島』p.144
製麺所直営。宮古そばを代表する老舗
創業は1932という老舗。当時は手打ちそばが好評を博す食堂だったが、戦争の激化により一度、閉店せざるを得なかったと言う。戦後、店を再開し、1978年には製麺所と食堂を分業化したことで、製麺部門は地元の家庭はもちろん、業務用に卸すほどの規模となった。
この店人気の宮古そばはカツオの風味豊かなさっぱりスープに細めストレートの麺。別料金で甘辛く炊いたソーキやてびち、沖縄名産のもずくをトッピングすることも可能。赤い瓦屋根を載せたお店の佇まいもどこか懐かしく、おしゃれなカフェのようなフローリングの店内は居心地も抜群。宮古そばと言えばこの店、と話す地元の人も多い。
古謝そば屋
- 電話番号
- 0980-72-8304
- 住所
- 宮古島市平良下里1517-1
- 営業時間
- 11:00~16:00(LO)
- 休業日
- 水曜
- アクセス
- 宮古空港から車で10分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム 石垣・竹富・西表・宮古島』p.145
スタミナ満点。コッテリ系のおそばが人気
1961年創業、現在の店主は3代目。先代のおばぁの味を守る人気店だ。この店の特徴はニンニクを効かせた豚骨ベースのスープで、ほどよいコッテリ感が癖になる。特に評判のソーキそばは、大振りのソーキ2つにニンジンやキャベツ、玉ねぎなどを使ったたっぷり野菜炒めと具材もボリューム満点。食べ進めるにつれ、3日かけて煮込むというソーキの甘辛い味がスープに染み出してえも言われぬ美味しさとなる。卓上で加えるコーレーグースとの相性もよく、暑い夏にこそ食べたくなるスタミナ満点のおそばだ。
食後に供される沖縄の定番おやつだという素朴な黒糖のアイスキャンディーも美味しい。
丸吉食堂
- 電話番号
- 0980-77-4211
- 住所
- 宮古島市城辺砂川975
- 営業時間
- 10:30~15:00
- 休業日
- 火・金曜
- アクセス
- 宮古空港から車で18分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム 石垣・竹富・西表・宮古島』p.145