2024.04.12
, 海外
シンガポールで体験するプラナカン・カルチャー
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交易都市に生まれたエキゾチックな家庭文化
プラナカンは15世紀後半、マラッカ海峡周辺に生まれた華僑文化のひとつ。プラナカンとはマレー語で「地元生まれの子」という意味で、海運の要衝であるこの土地に移住してきた中国人男性と、地元の女性との結婚によって生まれたフュージョン・カルチャーを意味する。交易を生業とした裕福な家庭が多かったこともあり、衣食住のすべてが華やか。中国文化とマレーやインドネシア双方の伝統を濃厚に受け継ぎつつ、世界中の文物が豊かに入り込む環境によって育まれた煌びやかさが印象的。洋の東西が交わる国際都市らしい暮らしの集大成だ。
パステルカラーの街並み広がるカトンへ
シンガポールでプラナカン・カルチャーに触れるならカトン地区に行くのがおすすめ。クーン・セン・ロードには、1階をショップや事務所、2階を住居として使用したショップハウスと呼ばれるプラナカン建築の家が並ぶ。1軒ずつ異なるパステルカラーで彩られたカラフルな街並みで、門扉や鎧窓のレリーフなど、細部まで飾られた精緻なかわいらしさが素敵。
また、マレーと中国の食文化が融合したユニークな料理やお菓子が食べられるレストランやカフェ、建築同様、色鮮やかでキュートかつデコラティブなデザインが魅力のプラナカン雑貨を扱うショップもこのエリアに集中している。衣食住や歴史を紐解くギャラリー、博物館も興味深い。
中国、マレーの食材と調理法を用いたニョニャ料理
プラナカンの家庭で生まれた女の子をニョニャと呼ぶため、プラナカン料理をニョニャ料理ともいう。スパイスやココナッツミルクなどを多用するので一見、マレー料理のようだが、醤油や豆豉など、中国の調味料も使われていて、どこか馴染みのある味わい。シンガポールにはニョニャ料理の名店がいつくかあるが、なかでもブルージンジャーは1995年から続く老舗で、味はもちろん、ショップハウスをリノベーションしたインテリアも人気の理由。どのメニューを選んでもおいしいが、とくにニョニャ料理らしい1品を選ぶならアヤム・ブア・クルアックがいい。チキンをクルアックという名の木の実と一緒に煮込んだ料理で、ライスと共に食す。プラナカンを代表する伝統料理だ。
ブルー・ジンジャー The Blue Ginger Restaurant
- 電話番号
- 6222-3928
- 住所
- 97 Tanjong Pagar Rd.
- 営業時間
- 12:00~15:00(LO14:15) 18:30~22:30(LO21:45)
- 休業日
- 無休
- アクセス
- Mイースト・ウエスト線Tanjong Pagarタンジョン・パガー駅から徒歩3分
- その他
- *営業状況は公式HPにて最新情報をご確認ください
『ハルカナ シンガポール』P.60
キュートでカラフルなビーズにうっとり
自身、プラナカンでもあるオーナーはビーズ・アーティストで、プラナカン女性の足元を彩るビーズ・サンダルをデザイン、制作している。ビーズの粒が小さいものほど絵柄がくっきりと浮き立って美しいが、手間と時間もかかる。サンダルにせず、額装して飾る人も多い芸術品だ。
ルマー・ビビではビーズ作品のほか、伝統衣装のサロンケバヤ、さらにはショップハウスの色合いにも通じるカラフルな陶器などの雑貨も扱う。ショップ自体がプラナカン・スタイルのショップハウスでもあり、プラナカンの暮らしと美意識が体感できる。
ルマー・ビビ Rumah Bebe
- 電話番号
- 6247-8781
- 住所
- 113 East Coast Rd.
- 営業時間
- 9:30~18:30
- 休業日
- 月曜
- アクセス
- アイワンツー・カトンから徒歩2分
- その他
- *営業状況は公式HPにて最新情報をご確認ください
『ハルカナ シンガポール』P.59
シンガポールで愛されるカトン・ラクサの有名店
最近では日本国内で販売されるカップヌードルにもラクサ味があり、日本でも認知度、人気ともに上昇中の麺料理、ラクサもカトンの名物。ラクサは、プラナカン文化そのものと同様、マラッカ海峡周辺国で食べられているが、地域ごとに使用する調味料やスパイス、具材などが異なり、カトン・ラクサは海老をはじめとする海鮮のダシが濃厚でスパイシーな味付けが特徴。ココナッツミルクも効いている。328カトン・ラクサは地元客にも旅行者にも人気の有名店。レンゲで麺を切りながらスープと一緒にすくいながら食べるのもカトン・スタイルの特徴で、この店にも店内に箸を用意されていない。
328カトン・ラクサ 328 Katong Laksa
- 電話番号
- 9732-8163
- 住所
- 51/53 East Coast Rd
- 営業時間
- 10:00~22:00
- 休業日
- 無休
- アクセス
- アイワンツー・カトンから徒歩3分
- その他
- *営業状況は公式HPにて最新情報をご確認ください
『ハルカナ シンガポール』P. 88