2023.09.22
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秋の風景を楽しみに箱根へ絶景ドライブ
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標高によって色づきの異なる紅葉を楽しむ
毎年のことながら夏の暑さは今年も記録を更新し、2023年は、ことに夏日、猛暑日の連続日数が特徴だった。彼岸を過ぎたとはいえ、東京辺りではまだまだ晩夏の名残りが色濃い中、秋の気配と絶景を求めるなら箱根ドライブがうってつけだ。
9月終盤のいま、仙石原のススキはすでに穂を開き始めており、例年、10月に入ると山の木々もボチボチと色づき始める。箱根の紅葉の見頃は10月半ば、芦ノ湖あたりから始まり、強羅、宮ノ下、湯本と箱根全山へと広がって、12月半ばごろまで約2ヶ月に渡って続く。ドライブなら標高ごとに変わる紅葉の進み具合の違いを鑑賞するのも簡単。見頃の絶景を探して車を走らせるのも楽しい。
箱根、秋の絶景を愛でるなら仙石原は外せない
山の木々が赤や黄に色づく紅葉もきれいだが、箱根で秋を堪能するなら仙石原のすすき草原は外せない。夏休みのあいだはただのありふれた原っぱにしか見えなかった草地が彼岸の頃から一斉に穂を開き、圧倒的な存在感を放つすすきの草原へと一変する。「かながわの景勝50選」にも選ばれる絶景で、まるで大きな絨毯を敷き詰めたような美しさだ。はじめは緑と淡い亜麻色のモザイク状の色合いだが、次第に一面の亜麻色になり、さらに濃い黄金色へと変化。大人の背丈ほどに伸びた草原の中を歩くのは夢か童話の中の出来事のようで、心が浮き立つ。11月末~12月の初めにかけて、すすきはフワフワと綿毛を放ち、草原の秋が終わりを告げる。
人の手により維持される草原の景観
開墾すれば1000石の米がとれるだろうという源頼朝の言葉から仙石原の地名が付いたという説もあるが、実際にはこの土地は米作りに適さず、昭和半ばくらいまでは屋根の茅葺や霜除け、堆肥などのための採草地として活用されてきた。が、生活が変化するにつれて利用されなくなり、徐々に灌木が増えて森林化し、湿性植物が減るなど仙石原湿原そのものや草原としての景観が損なわれてきた。平成に入ると一時絶えていた山焼きが復活。毎年3月前半、晴れた風のない日を選び、地元の自治会や消防団らがタッグを組んで草原に火を放つ。コロナ渦で中止した年もあったが箱根の春の風物詩ともなっているこの行事により、秋に楽しめるこの景観が保たれている。
仙石原すすき草原
- 電話番号
- 0460-85-5700(箱根町総合観光案内所)
- 住所
- 神奈川県箱根町仙石原
- アクセス
- 「仙石高原」バス停からすぐ
- 駐車場
- 9~11月まで臨時駐車場あり
『旅コンテンツ完全セレクション 息をのむ絶景ドライブ 東日本』P.130
ドウダンツツジやモミジが色づく湖畔の風景
箱根の紅葉は芦ノ湖から始まる。箱根全山のなかでも標高が高いためで、富士山を背にした湖畔の山々が紅葉するさまは見事。箱根神社や恩賜公園、小田急山のホテル、遊覧船に乗って湖上からなど、秋の絶景を楽しむヴュー・ポイントには事欠かないが、とくにおすすめなのが成川美術館からの眺め。現代日本画のコレクションが素晴らしいことで知られる美術館だが、館内展示室の脇に設えられた大展望ラウンジからの眺望が美しい。窓枠が額の役割を果たし、湖、湖畔の鳥居、錦繍の山々、そして右手奥には雪をかぶった富士山と、まるで一幅の絵のような絶景が楽しめる。
芦ノ湖
- 電話番号
- 0460-85-5700(箱根町総合観光案内所)
- 住所
- 神奈川県箱根町
- 駐車場
- 周辺駐車場利用
『旅コンテンツ完全セレクション 息をのむ絶景ドライブ 東日本』P.128
錦繍の大パノラマ。湯坂山を望む湯宿でくつろぐ
箱根を訪れるなら温泉は欠かせないが、今年の紅葉を楽しむのにおすすめしたいのがこの旅館。標高の低い湯本にあるため、比較的遅い時期でも紅葉が楽しめるので、今から旅の計画を立てても十分に間に合う確率が高い。
食事、客室、サービスといずれも申し分ないが、とくに素晴らしいのが露天風呂からの眺望で、正面に鎮座する湯坂山が目前に迫るよう。湯のなかでくつろぎつつ、最前列で紅葉が満喫できる。客室は全9室のうち5室は客室のテラスに露天風呂が置かれ、こちらからも紅葉を望むことができる。
静観荘
- 電話番号
- 0460-85-5795
- 住所
- 神奈川県箱根町湯本茶屋19
- チェックアウト
- 11:00
- チェックイン
- 15:00
- アクセス
- 箱根登山鉄道・箱根湯本駅から徒歩20分
- 駐車場
- 10台
- 予算
- 1泊2食付 平日2万4750円~、休前日4万3450円(別途入湯税150円)
- 客室数
- 9室
『旅コンテンツ完全セレクション 息をのむ絶景ドライブ 東日本』P.131