2026.09.25
, 国内
加護とパワーを授ける熊野三山
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ワールドカップで活躍した代表選手の胸には八咫烏
中村覚之助という人物がいる。和歌山県那智勝浦町出身。1906年に28歳という若さで亡くなったが、東京高等師範学校にサッカー部を創設した。雑木林を切り拓いてピッチにし、外国のサッカー指導書を翻訳。横浜に出向いて初の国際試合をするなどした日本サッカーの祖である。
さらにこの東京高等師範学校蹴球部は現在の筑波大学蹴球部へと続く。三笘薫や谷口彰悟を始め、日本代表選手を輩出する名門だ。
今年はワールドカップイヤーで国内でも大いに盛り上がったが、日本代表選手たちの胸にデザインされているのが八咫烏。夭折した中村氏の功績を称える意味を込めて彼の故郷の神鳥をエンブレムにしたとの説もあり、サッカー界では勝利へ導く存在として親しまれている。
奈良の橿原まで神武天皇を導いたと伝わる八咫烏
『日本書紀』によると、東方に美しい土地があるとのお告げを得た神武天皇は都を造るために奈良を目指した。だが、あまりにも深く険しい熊野の山道と、その土地に根を張る人々との戦いにより皇軍は全滅の危機に陥る。そこに現れた神の遣いがこの3本足の八咫烏で、無事、奈良の橿原まで先導し、初代である神武天皇は橿原に都をひらいたとされる。
平安期、多くの上皇や公家が片道80里(320Km)にも及ぶ険しい道を辿り、往復1ヶ月もの日数をかけて頻繁に熊野に詣でた理由は神武天皇に始まる聖地のパワーを得んがため。この行幸の警護として同行した平家を通じて武家の世、さらには現代のサッカー日本代表へと熊野信仰は続いている。
伊勢や出雲と並ぶ日本の聖地
本宮大社、速玉大社、那智大社から成る熊野三山の始まりは崇神天皇65(紀元前33)年に遡る。なかでも、33.9mもの高さの大鳥居の中に建つ本宮大社社殿は檜皮葺を戴き、特に古の姿を今に残している。
また、神門に掛けられた幕や拝殿左右のレリーフなど、境内のさまざまな場所に八咫烏が配されており、お守りや絵馬にも八咫烏がデザインされている。
ワールドカップやオリンピックといった大事な試合の前には日本サッカー協会(JFA)の会長やチーム監督などが必勝祈願に訪れる八咫烏信仰の本拠地でもある。さらにJFAは、中村覚之助氏の故郷にある那智大社にもあわせてお詣りする。
熊野本宮大社
- 電話番号
- 0735-42-0009
- 住所
- 田辺市本宮町本宮1110
- 参拝時間
- 7:00~17:00、宝物殿9:00~12:00 13:30〜16:00
- 休業日
- 無休(宝物殿は月〜金曜)
- 参拝料
- 無料(宝物殿300円)
- 駐車場
- 境内30台・河川敷600台
『おとな旅プレミアム南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』P.32)
平安貴族が詣でた川の古道を行く
木製の舟に乗って、熊野本宮大社から熊野川を下り、新宮である熊野速玉大社に向かう。第59代天皇である宇多法皇以降、歴代の上皇や貴族が盛んに熊野の地を目指して旅に出た。「蟻の熊野詣で」と形容されるほどの行列が古道を往来したと伝わるが、その平安貴族たちも使ったという川の古道を行く、90分の川下り体験だ。 途中、布引滝、葵の滝、宣旨返り、比丘尼転び、骨嶋、釣鐘石、飛雪の滝、昼嶋、畳石、権現河原などに近づいたり、上陸したりと、船頭さんのガイドのもと名所の見学ができる。また、周辺は豊かな自然が残っており、国の天然記念物、ニホンカモシカなどが姿を現すこともある。

熊野川川舟センター
- 電話番号
- 0735-44-0987
- 住所
- 新宮市熊野川町田長54-8 道の駅 瀞峡街道 熊野川内
- 営業時間
- 3~11月10:00、14:30(最少催行人数3名以上) ※完全予約制(前日までに要予約、受付は9:00~17:00)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 4950円
- アクセス
- 本宮大社前バス停から熊野御坊南海バス・新宮行きで40分、道の駅熊野川下車すぐ
- 駐車場
- 道の駅 瀞峡街道 熊野川駐車場利用
『おとな旅プレミアム南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』P.50
ボリュームたっぷり熊野牛メニュー
本宮大社と速玉大社を結ぶ国道沿いにあり、熊野川を前に建つログハウスが素敵。中に入ると、木の風合いが暖かなインテリアとアットホームな雰囲気にくつろぐ。窓から見える川の景色もいい。
看板メニューは、地元のブランド牛である熊野牛を使った焼肉やステーキのセット。ほかに、生地もソースも手作りのピザや、京鴨だしのうどん、ソースの選べる丼、チーズ・イン・ハンバーグと多彩なメニューが揃い、地元客、旅行者を問わず人気を博している。
また、熊野本宮に詣でる旅人が参拝の前に身を清めたと言われる湯の峰温泉を使って淹れるコーヒーも好評を博している。

杜の郷みるりいな
- 電話番号
- 0735-42-0289
- 住所
- 田辺市本宮町大津荷5-3
- 営業時間
- 9:00~17:00(LOは各30分前)
- 休業日
- 水・木曜(変更の場合あり、facebookにて要確認)
- アクセス
- JR紀伊田辺駅から熊野御坊南海バス・本宮大社方面行きで51分、高津橋下車、徒歩4分
- 駐車場
- あり
『おとな旅プレミアム南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』P.53


