

2025.07.04
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徳島の阿波踊り、高知のよさこい祭りに参加する
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江戸時代の記録にも残る阿波踊りの熱狂
歌と踊りはヒトの原始的な衝動なのだろう。祭りに踊りは付きものだ。夏になると日本各地で盆踊りが催されるが、その極みとも言えるのが阿波踊り。事実、岐阜の郡上踊り、秋田羽後町の西馬音内盆踊りと共に日本3大盆踊りに数えられている。
阿波踊りの歴史は古く、一説によると天正14年(1586)、徳島城が築かれた際の祝賀行事で城下の人々が無礼講で踊ったのが始まりだという。起源についてはいくつかの説があるが、江戸期の阿波踊りでの人々の熱狂ぶりは凄まじく、踊りの熱量そのままに一揆などに発展しては困る、あるいは絢爛たる祭りのさまが時の財政再建方針に反すると徳島藩が度々、禁止令を発するほどだった。

戦後の地域復興を支えた阿波踊りとよさこい祭り
戦時中こそ中止された阿波踊りだが終戦翌年には早くも再開。まだ辺りは焼け野原だったが人々は「連」と呼ばれるグループを続々立ち上げ、これを中心に荒廃した地域社会や経済を立て直して行く。終戦の翌々年、昭和22年(1947)の8月に開催された祭りでは、ありあわせの衣装でめいいっぱい着飾った人々が平和の喜びを噛みしめながら踊ったという。
戦後、四国で興った祭りがもうひとつ。高知のよさこい祭りだ。戦後の不況を吹き飛ばすべく市の商工会議所によって企画され、昭和29年(1954)8月、第1回よさこい祭りが開催された。当初は日本舞踊のお師匠さんたちが考案した伝統的な盆踊りだったが、1970年代に入るとサンバやロックで踊るチームも出現。現在のよさこい祭りに近いスタイルとなった。

「にかわ連」に入って阿波踊りに参加する
今年、令和7年(2025)の阿波踊りは8月11日から15日まで開催。国の内外から100万を越す人々が訪れ、街は太鼓や鉦、三味線、笛、鼓の音と「ぞめき」と呼ばれるお囃子、そして熱を帯びた興奮に包まれる。この間、ホールや演舞場、公園など、市内各所で公演が催され、選り抜きの踊り手たちによるダンスが見られる。観覧席は当日券もあるが、確実に席を抑えるためには前売り券を取っておくのがおすすめだ。
また、徳島の有名な民謡にも、「踊る阿保に見る阿保、同じ阿保なら踊らにゃ損、損」というフレーズがあるが、踊り手としての参加も可能。告知の時間に「にわか連」の集合場所に行けば、簡単なレッスンを経て踊りの列に加わることができる。
阿波おどり未来へつなぐ実行委員会事務所
- 電話番号
- 088-678-5181
『おとな旅プレミアム 四国』 P.141

隣県、高知のよさこい祭りも「踊らにゃ損!」
お囃子や衣装に一定の決まりがある阿波踊りに対して土佐のよさこいは自由度が高い。ルールは木の板に木片を付けた鳴子を持って打ち鳴らしながら前進することと曲中に必ずよさこい節の一節を取り入れることのみ。チームごとに衣装や振り付けに工夫を凝らし、曲もロック、サンバ、ヒップホップなどさまざまなスタイルを取り入れている。
祭り当日は高知駅前や公園、通り、大学のキャンパスなどに競演場、演舞場が設けられ、迫力満点のダンス・パレードが見られる。「あったか高知踊り子隊」「市民憲章よさこい踊り子隊」にエントリーすれば当日の飛び込み参加も可。2時間ほどの練習の後、そのまま踊ることができる。開催日は8月9日~12日。
よさこい祭振興会
- 電話番号
- 088-875-1178
高知市観光協会
- 電話番号
- 088-823-4016
『おとな旅プレミアム 四国』 P.140

夏も旬。高知に行ったら食べたい絶品夏鰹
鰹の旬と言えば初夏の初鰹と秋の戻り鰹がイメージされるが、夏の鰹も美味しい。身の質は初鰹と戻り鰹のちょうど中間といった感じで脂のりが程よく、刺身で食べてもタタキにしてもいい。高知では土佐沖で一本釣りした鮮度の良い鰹を食すため味は抜群。他県で食べる鰹とは別物の旨さだ。
酔鯨亭は、酒豪県としても名高い土佐、高知の酒蔵、「酔鯨酒造」が運営するお店で、鰹のほか、鯨の竜田揚げ、チャンバラ貝など郷土の味が気軽に味わえる人気店。もちろん酒蔵直営だからお酒のラインナップも充実していて、料理に合わせたペアリングを提案してくれるのも楽しい。祭りの高揚を土地の酒と美味でさらに盛り上げてくれるお店だ。
酔鯨亭 高知店
- 電話番号
- 088-882-6577
- 住所
- 高知県高知市南はりまや町1-17-25
- 営業時間
- 11:30~13:30 17:00~21:00(LO20:45)
- 休業日
- 月曜、日曜・祝日のランチ、ほか不定休
- アクセス
- とさでん・はりまや橋電停から徒歩2分
- 駐車場
- なし
『おとな旅プレミアム 四国』 P.115