2025.03.07

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池泉や石庭、富士山とのコントラストが美しい

日本庭園で楽しむ華やかな桜

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日本人の桜好きはいつから始まったのか

桜が日本人にとって特別な花になったのはいつの頃か。奈良時代に編纂された万葉集にも桜を詠んだ歌は数々あるが、割合としては多くない。植物を詠み込んだもののなかでは梅や萩、松などの歌が多く、梅の歌は桜の3倍ほどもある。が、平安時代の古今和歌集では俄然、桜の歌が増える。のどかな春の風景として、さらには恋心を映す鏡として、あるいは人の生の儚さの象徴として、沢山の桜の歌が登場する。仏教をはじめとする海外から渡来した文物を尊んでいた飛鳥~奈良時代は渡来ものの梅に、日本独自の国風文化が花開いた平安時代には古くから身近にあった桜に人気が集まったのかもしれない。

平安時代に記された庭園造りのガイドブック

平安期に記された『作庭記』は、日本はもちろん世界でも最古の作庭指南書だ。寝殿造りの屋敷の庭を造るにあたっての理念やテクニックが丁寧に書かれており、自然の中の景勝地を参考にすること、陰陽五行思想や四神相応観、風水上のタブーや留意点、さらに滝、遣水、植栽など、平安貴族の為の庭造りのすべてが詰まっているが、ここにも松や楓と並び、花の木(桜)が当然植えるものとして取り上げられている。

庭木も飛鳥~奈良時代には蓮、梅、枝垂れ柳などが中心だった。歌のモチーフ同様、唐風文化の時代には庭の植栽も渡来ものが好まれ、国風文化の平安期には桜を始めとした日本らしい草木が好まれたのだろう。

日本庭園に欠かせない第一の庭木、桜

王朝文学の代表作、『源氏物語』にも桜の描写は多い。栄華を極めた光源氏が造営した六条院には春夏秋冬の町があり、それぞれにゆかりの女君が暮らすが、もっとも華やかなのが春の御殿(おとど)。光源氏自身もここに住み、庭の桜はこの正殿の主でもある紫の上を象徴する特別な花として描かれている。以降、枯山水の多い室町時代、禅寺の鎌倉期、大名庭園の江戸期から現代に至るまで桜は日本庭園に欠かせない言わば第一の庭木であり続けている。

明治28年(1895)に創建された平安神宮の神苑も桜の見事な庭園のひとつで、平安京千年の造園技法の粋を集めた庭として国の名勝にも指定。中でも南神苑と東神苑のベニシダレが美しく、花の時期にはライトアップが楽しめる夜間にも開放される。

  

平安神宮 神苑

     
電話番号
075-761-0221
住所
京都府京都市左京区岡崎西天王町
チェックアウト
チェックイン
営業時間
閉館時間
無休
開業時間
閉園時間
開業時間
閉園時間
参拝時間
8:30~17:00(3月15日~9月30日は17:30まで、11~2月は16:30まで)、ライトアップ4月上旬予定18:15~21:00
観光期間
休業期間
休業日
休館日
休園日
入園料
入館料
拝観料
参拝料
料金
神苑600円(境内無料)
アクセス
JR東海道本線・京都駅から市バスで32分、岡崎公園美術館・平安神宮前バス停下車、徒歩3分
駐車場
なし
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『旅コンテンツ完全セレクション 和の美が心を洗う日本庭園』p.21, p.82

モノクロの石庭に鮮やかな春色を差す枝垂れ桜

枯山水は室町時代に多く、池泉や滝ではなく石をもって水の流れを表す。禅の教えを視覚的に見せる庭でもあり、室町幕府が禅を保護したために増えたという。が、枯山水造園の理由がもう1つ。応仁の乱で京の街が荒廃し、大量の水を引くのが困難になったため代わりに石で水を表現するこの様式が用いられた。『作庭記』には「池もなく遣水もなき所に石をたつる事あり。これを枯山水と名付ける。」とある。

『作庭記』から少し後の宝徳2年(1450)に創建された龍安寺は石庭で名を馳せるが桜も見事。春になると境内にはヤマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエとさまざまな桜、400本が次々と咲く。とくに必見なのは油土塀越しに石庭に枝を伸ばすベニシダレ。真っ白な石英が描く水面に鮮やかなピンクが美しく映える。

龍安寺 方丈庭園

     
電話番号
075-463-2216
住所
京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
チェックアウト
チェックイン
営業時間
閉館時間
開業時間
閉園時間
開業時間
閉園時間
参拝時間
8:00~17:00受付終了(閉門は17:30)、12~2月:8:30~16:30受付終了(閉門は17:00)
観光期間
休業期間
休業日
無休
休館日
休園日
入園料
入館料
拝観料
参拝料
料金
600円
アクセス
京福電鉄北野線・龍安寺駅下車、徒歩7分
駐車場
あり
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『旅コンテンツ完全セレクション 和の美が心を洗う日本庭園』p.20, p.124

借景は富士山。富士には桜もよく似合う

「富士には月見草がよく似合う」と書いたのは太宰治。雄大であらゆる人を感動させる富士山と、ほとんど人に気付かれずとも健気に咲く月見草との対比を表現した台詞だが、共に主役級の華やぎを持った取り合わせ、富士と桜のコントラストが楽しめるのが正応3年(1290)創建の古刹、大石寺。広大な境内には国が指定する重要文化財である五重塔や、県の有形文化財、御影堂や三門など歴史的にも重要な建造物が多いが、春には5000本を越す桜が咲き誇り、圧巻の花景色となる。山頂に雪を載せた富士山の青と霞のように広がる柔らかなピンクの桜が織りなす風景は、「石庭と桜」に並ぶ日本らしい絶景だ。

  

大石寺庭園

     
電話番号
0544-58-0810
住所
静岡県富士宮市上条2057
チェックアウト
チェックイン
営業時間
境内自由(見学不可の日あり)
閉館時間
開業時間
閉園時間
開業時間
閉園時間
参拝時間
観光期間
休業期間
休業日
休館日
休園日
入園料
境内自由(見学不可の日あり)
入館料
拝観料
参拝料
料金
アクセス
JR身延線・西富士宮駅から車で15分
駐車場
あり
予算
客室数
部屋数
アメニティ
サイト
その他

『旅コンテンツ完全セレクション 和の美が心を洗う日本庭園』p.19, p.160

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テーマ別

旅コンテンツ完全セレクション

和の美が心を洗う日本庭園

定価:1,980円(税込)A5変

ISBNコード:9784300115084