vol.97

エレガントな白が素敵日本を代表する洋食器ブランドは名古屋発

高品質で使いやすく
繊細な日本らしさを加えた
日本発の洋食器ブランド
ノリタケの歴史と商品を見に行く


“セトモノ”の故郷、愛知で生まれたカラフルな焼物

おとな旅 名古屋

現在、セトモノという言葉は有田、九谷、益子など、産地を問わず陶磁器全般を指すことが多いが、もともとは愛知県の瀬戸市周辺で作られる焼物ののみを瀬戸物と呼んでいた。瀬戸では陶器、磁器の両方を作っており、形状、色、柄ともに多彩。瀬戸の辺りで採れる土は柔らかくて鉄分が少ないので、どんな形にも成形しやすく、真っ白な生地が焼き上がる。美しい白地の上では釉薬の色や絵付けが鮮やかに発色し、淡い緑や青に発色する灰釉、赤く焼き上がる辰砂釉、安土桃山好みの華やかさを湛えた織部など、カラフルなラインナップが楽しめるのもこの土のおかげだ。


透明感と輝きがスペシャル。世界が認めるノリタケの白

おとな旅 名古屋

愛知には、真っ白な生地が特徴的な焼物メーカーがある。日本を代表する洋食器ブランド、ノリタケだ。白磁は、その昔ヨーロッパで白い金とさえ呼ばれて重んじられたというが、ノリタケの白は優しい輝きを放ち、格別に美しい。「グランディール」、「シェールブラン」など、白一色のシリーズはもちろん、柄や絵付けを施したデザインも生地そのものの白さがベースにあってこそ。シンプルとも評される上品でスッキリとした意匠と、多岐にわたる工程をひとつずつ職人の手で仕上げていく品質の高さは、日本国内はもとより、いや、むしろ欧米各国での評価が高い。近年では、ノリタケブランドの持つ高級感はそのままに、電子レンジや食洗機にも対応する製品など、実用性、利便性の高いアイテムも数多く発表されている。
また、名古屋と言えばトヨタをはじめ、日本の経済を支える物づくり企業が多数、集結する土地柄。瀬戸焼に代表される伝統の美しさに加え、その技術を現代の暮らしに欠かせない工業製品に昇華させる企業が多いのもこの土地の特徴だが、ノリタケもそうした企業のひとつ。食器を作る過程で必要な、削ったり磨いたりという技術を用いた工業製品を製造し、現在では自動車やエネルギー、エレクトロニクス分野に欠かせない存在となっている。


見る、使う、作る、買う。さまざまな角度でノリタケを楽しむ

■ノリタケの森

おとな旅 名古屋

ノリタケの創業者、森村市左衛門は日米修好通商条約によって生じた不利益と、日本、欧米間の金銀交換比率の違いによる金の流出を憂いた幕末~明治の商人。福沢諭吉から、流出した金を取り戻すには外貨を稼ぐべしとのアドバイスを受けて貿易会社を設立した。さらに当時、アメリカでは有田焼や伊万里焼、清水焼といった和の陶磁器の人気が高かったため、これを彼らが日常的に使う洋食器として製品化して売り出そうと自社で製作したのが陶磁器メーカーとしての始まりで、当初からこだわっていたのが今のノリタケにも通じる生地の白さ。海外の工場や試験場の視察を行い、原材料の配合や釉薬など試行錯誤を重ねて真っ白な焼き物が完成したという。
ノリタケの森では、当時作られた花瓶や食器などのほか、明治時代に建てられた煉瓦造りの工場、生地作りから絵付けに至るまでの製造工程などの見学が可能。さらには絵付け体験コーナー、ノリタケの食器を使ったカフェやレストランもあり、さまざまな角度から楽しむことができる。


おとな旅 名古屋

 電話番号 :052-561-7114
 住所 :名古屋市西区則武新町3-1-36
 開業時間 :10:00~17:00(施設により異なる)
 休業日 :月曜(祝日の場合は翌平日)
 料金 :無料(クラフトセンター・ノリタケミュージアムは入館料500円)
 アクセス :地下鉄・亀島駅から徒歩5分
 駐車場 :なし
(『おとな旅プレミアム 名古屋 ’21-’22年版』 P. 39)


赤茶色の急須がシンボル。常滑焼を見にいく

■INAXライブミュージアム

おとな旅 名古屋

伝統美と工業的価値を兼ね備える愛知の焼き物事情に興味を持ったら、ぜひおすすめなのが常滑へのショートトリップ。常滑は、名古屋中心部から車または電車を使って 30~40分ほどの距離にあり、瀬戸焼、越前焼、備前焼、信楽焼、丹波立杭焼と並ぶ日本六古窯のひとつ、常滑焼の聖地だ。瀬戸焼とは対照的に鉄分を多く含んだ土を使うため赤茶色の朱泥が特徴的で、急須や植木鉢がよく知られている。
この地にも、陶磁器作りから生まれた世界的企業がある。浴槽や便器、洗面台をはじめ、ビルや住宅を建てるのに欠かせない建材を作るINAXだ。創業者は常滑の陶工、伊奈初之丞で、常滑INAXライブミュージアムでは国の登録有形文化財と近代化産業遺産に指定された建物や、1920年ごろから導入され始めたというベルトコンベア式のトンネル窯、古今のタイルや便器などの展示が見学できる。
ほかにも、常滑の街には「やきもの散歩道」「土管坂」「登窯」など、思わず写真を撮りたくなるノスタルジックな風景、美しく温かみのある食器を作るアトリエも多い。


おとな旅 名古屋

 電話番号 :0569-34-8282
 住所 :常滑市奥栄町1-130
 開業時間 :10:00~17:00(入館は~16:30)
 休業日 :水曜(祝日の場合は開館)
 料金 :700円
 アクセス :名鉄・常滑駅から知多バス・知多半田駅行きで5分、INAXライブミュージアム前下車、徒歩2分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 名古屋 ’21-’22年版』 P.147)


窯元が提案するモダンな常滑焼を手に入れる

■TOKONAME STORE

おとな旅 名古屋

せっかく常滑を訪れるなら、焼き物を作ったり、お気に入りの陶器を見つけたりしたいもの。この地を代表する窯元、「山源陶苑」が展開するTOKONAME STOREでは、現代の暮らしやモダンなインテリアにも合う、シンプルかつモダンな常滑焼の食器が販売されており、幅広い年齢層の人気を得ている。また、ワークショップが併設されていて、事前にメールや電話で予約しておけば所要1時間半ほどの陶芸体験が可能。


おとな旅 名古屋

 電話番号 :0569-36-0655
 住所 :常滑市原松町6-70-2
 開業時間 :11:00~18:00
 休業日 :水曜
 料金 :700円
 アクセス :名鉄・常滑駅から徒歩10分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 名古屋 ’21-’22年版』 P.149)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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