vol.91

雲、水、温泉と千変万化水の城下町「郡上八幡」、湯の里「下呂温泉」で水に親しむ

鯉の泳ぐ生活用水路
山城を囲む雲海
上質な鮎の育つ清流と
豊かな水が作る絶景の数々


良質な水に支えられた佳景と人々の暮らし

おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

数十年後には、国境、宗教、エネルギー資源に加えて水の取り合いが戦の大きな理由になるとの懸念がささやかれているが、今日のところ、日本はその点に関しては恵まれている。
特に飛騨の辺りの水はいい。飛騨地方に連なる3000mクラスの山々がふんだんに降る水を湛え、飛騨のみならず岐阜県南部の美濃平野までを豊かに潤している。飛騨には、日本3銘泉に数えられる下呂温泉があり、ブランド鮎がとれる清流、長良川がある。さらに郡上八幡には長良川の支流である吉田川が流れており、きれいな湧水を用いた水舟がいまも市民の暮らしを支え、鯉の泳ぐ用水路が街の風景をつくっている。


雲海に浮かぶ日本最古の木造再建城

おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

日中と朝晩の気温差が大きくなる晩秋から初冬にかけては、郡上八幡城周辺に雲海が発生する確率が高く、天空の城と呼ばれる神秘的な姿が見られる機会も多い。雨上がりの翌日、晴れた早朝にはカメラを構えた人々が城を望む峠の国道沿い、わずかなスペースに集うが、風の強さ、前夜との気温差や湿度の具合など微妙な気候条件を満たさないと出現しないため、予想が難しい。
が、雲海が出現せずとも、急峻な山の峰に聳える天守閣はそれだけで神秘的な美しさを誇る。その昔、翠が積もる城、積翠城とよばれた郡上八幡城は、周囲の山々を睥睨するように建ち、新緑、紅葉、雪景色と季節によってさまざまな表情を見せる。たくさんの城を訪れた司馬遼太郎をして、粉雪を透かして見ているせいか「悲しくなるほどに美しかった」と言わしめている。


大きな鯉の泳ぐ生活用水路

■いがわこみち

おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

郡上八幡には、ふんだんかつ良質な水を暮らしに活かす仕掛けがたくさんあり、水の街と呼ばれる風景を作っている。例えば水舟。木箱を2つ、3つ階段状に設置し、上段の水槽は飲用、または野菜などの食品を洗うために使用し、下の水槽は食器などを洗うのに使う。その際に出る野菜くずやご飯粒などはさらに下に流れていき、川魚のエサとなる。エコかつ合理的なシステムで、ルールを守れば私たち旅行者も利用可能。さらには郡上八幡特有の風景ともなっている。
なかでも、いがわこみちは郡上八幡でも最大規模を誇る生活用水路。民家の裏手、木々のあいだを走っており、大きな鯉やアマゴといった魚が泳ぐ。途中、3カ所に洗濯場が設けられ、夏には鮎釣りに使うおとりの鮎が置かれているなど、人々の暮らしに密接した水の風景が楽しめる。


おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

 電話番号 :0575-67-0002(郡上八幡観光協会)
 住所 :郡上市八幡町島谷
 アクセス :長良川鉄道・郡上八幡駅からまめバスで10~15分、城下町プラザ下車、徒歩5分
(『おとな旅プレミアム 飛騨高山・白川郷 飛騨古川・下呂温泉 ’21-’22年版』 P. 95)


全国の蕎麦食いを惹きつける名店

■仲佐

おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

蕎麦も水の良し悪しが大きな決め手となる。この店では奥飛騨や北信州で栽培されている昔ながらの小粒なソバの実を使用。一般には流通しない貴重な在来種で、店主自らが畑に通い、農家と一緒に育てたソバは小さな粒に味と香りが凝縮して詰まっている。これを手で刈り、天日に干し、さらには自らの目で粒を選り分け、機械を使わず石臼で挽く。粉は手でふるいをかけ、もちろん手打ち。すべての工程を手で行う至極の蕎麦だ。蕎麦掻き、ざるそば、甘味の蕎麦饅頭までどれも絶品。地元の食材を使った季節の天ぷら盛り合わせや焼き味噌を肴に、飛騨の銘酒を楽しむこともできる。飛騨の山中にありながら、全国から訪れる蕎麦食いが行列を作るため、早々に売り切れ仕舞いする日が多い。


おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

 電話番号 :0576-25-2261
 住所 :下呂市森918-47
 開業時間 :11:30~売り切れ次第閉店
 休業日 :水曜(祝日の場合は営業)、不定連休あり
 アクセス :JR下呂駅から徒歩15分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 飛騨高山・白川郷 飛騨古川・下呂温泉 ’21-’22年版』 P.100)


日本三銘泉、湯量も豊富な美人の湯に浸かる

■水明館

おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

兵庫の有馬、群馬の草津と並ぶ日本三銘泉のひとつ、下呂温泉。とりわけ、この水明館はお湯の良さで知られ、3つの棟、それぞれに置かれた大浴場に加え、貸切温泉風呂や一部客室のお風呂にまで源泉が引かれている。泉質は柔らかく滑らかな肌触りのアルカリ性単純温泉。リウマチや神経症、運動機能障害など効能はさまざまあるが、一度入っただけでもすぐに実感できるのが美肌効果。飛騨川沿いに建つため眺望も素晴らしく、温泉プールやエステサロン、能舞台、茶室など施設も充実。和会席をゆったり楽しむ部屋食のほか、飛騨牛のステーキが味わえるレストラン、本格派の広東料理が食せるチャイナルームなど食のセレクションも豊富。


おとな旅 飛騨高山・白川郷・飛騨古川・下呂温泉

 電話番号 :0576-25-2800
 住所 :下呂市幸田1268
 休業日 :日曜(月曜が祝日の場合は営業、月曜休)
 アクセス :JR下呂駅から徒歩3分(下呂駅から無料送迎あり)
 駐車場 :あり
 IN :14:00
 OUT :11:00
 室 :264室(禁煙44室、喫煙220室)
 予算 :1泊2食付1万8150円~※立ち寄り湯11:00~14:00/1100円/年1日休みあり)
(『おとな旅プレミアム 飛騨高山・白川郷 飛騨古川・下呂温泉 ’21-’22年版』 P.102)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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