vol.81

智将でありながら勇猛果敢、仁にも厚い真田幸村戦国屈指の人気武将の本拠地、上田を訪ねる

「日本一の兵」「家康最大の敵」等
華々しい2つ名と
数々の伝承、伝説に彩られた
真田三代が治めた信州、上田


知力と武力を駆使して戦国を生き抜いた真田家

おとな旅 軽井沢・小諸・上田・松代・松本・善光寺

幸隆、昌幸、幸村と続く真田三代、特に幸村の名で知られる真田信繁は智勇を兼ね備え、戦場において徳川家康をもっとも苦しめた武将として歴史ファンのあいだでも特に人気が高い。現代においても、小説、大河ドラマ、アニメ、ゲームなどに頻繁に登場するが、その人気ぶりは近年始まったものではなく、江戸時代には講談、明治期から大正、昭和のはじめにかけては立川文庫で描かれて少年から大人まで幅広い年齢の男性たちが夢中になった。
そもそも、幸村という私たちがよく知る名前も江戸期に創作されたものだという説がある。のちに講談、歌舞伎、浄瑠璃にもなって人気を博した戦記物、『難波戦記』で大坂の陣を描く際、徳川幕府を憚って本名を封印し、幸村の名を用いたとの説だ。
真田幸村という人物が、これほどの長きに渡って人々を惹きつける理由は何か。ファンによって多々、さまざまな魅力を挙げるが一貫して言えるのは、その強さとセンセーショナルな存在感にある。


敗軍にあって敵の本陣を追い詰める大活躍

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諸大名が記した記録によると、幸村は突如、大坂の陣に現れる。昌幸、幸村父子が深く尊敬した信玄公由縁の目立つ赤備えを纏った兵を率いて徳川家康の本陣を突き、独創的かつ大いに効果的な真田丸を築いて城を守った。敗色の濃い豊臣方にあって強大な徳川の精鋭を散々に蹴散らした強さは、驚きをもって敵味方に知られていく。
真田三代に翻弄された敵といえば家康だけではない。真田家は、もともと武田信玄配下の国衆だが、大坂の陣に至るまで数々の敵と戦っている。その名を挙げれば、北条、上杉、織田・徳川連合軍と、強敵ばかり。なかでも徳川家康とは、長篠、第一次・第二次上田合戦、関ヶ原、そして大坂冬・夏の陣と、幾度も戦火を交えている。とくに冬の陣で真田丸からの攻撃に辛酸を舐めた徳川は、戦後これを徹底的に壊して夏の陣に備えたという。
さらに付け加えれば、真田三代が将を勤めた部隊は目覚ましい活躍を遂げるものの、必ずしも勝利方の陣営に属さないことも、日本人の判官贔屓的心理を刺激するのかもしれない。大坂の陣においても、豊臣方が大敗を喫するであろうことは戦闘、戦略、外交の手練れたる幸村は重々承知。それでも武将としての活躍の場を求めて大坂城に入り、文字通り鬼神の働きを見せた。


2度にわたって徳川家康を撃退した不落の城

■上田城

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第一次、第二次上田合戦の舞台となった城で、天正11年(1583)、幸村の父、真田昌幸によって築かれた。千曲川岸の崖や湿地といった天然の地形を巧みに利用し、矢出沢川を引き込んで外郭を造るなど、戦上手で合理的な真田昌幸ならではの堅固な造りを誇る。その石垣は、のちに幸村の兄、信幸が父の形見にと運び出そうとしたが、とうとう動かせなかったと伝わるほど。城は関ヶ原の戦い翌年の慶長6年(1601)、徳川によって打ち壊されたが、江戸時代には上田藩初代藩主となった信幸の屋敷が置かれた。上田は、映画『サマーウォーズ』の舞台としても知られ、上田駅や海野町商店街など、街に実在する風景が登場するが、陣内家の門のモデルとなったのがこの上田城に残る東虎口櫓門(ひがしこぐちやぐらもん)だ。


 電話番号 :0268-23-5408(上田市観光課)
 住所 :上田市二の丸
 開業時間 :見学自由
 休業日 :なし
 料金 :入園無料(上田市立博物館300円)
 アクセス :JR上田駅から徒歩12分
 駐車場 :104台(有料)
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺 ’21-’22年版』 P.114)


自筆の原稿や作家愛用の品々も展示

■池波正太郎 真田太平記館

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直木賞を受賞した『錯乱』をはじめ、真田ものと呼ばれる作品を多く残した小説家、池波正太郎と、真田もののなかでも集大成と位置付けられる作品、『真田太平記』に関する文学館。9年にもわたる執筆中、足繁く上田を訪れたという池波氏の取材ノートや年表、地形模型など、作家と作品のファンである大人が楽しめる資料とともに、小説に描かれた忍者の世界が楽しめる忍忍洞や、模型と映像を組み合わせたプロジェクションマッピングを使った戦の解説など、子供も楽しめる展示物が充実している。


 電話番号 :0268-28-7100
 住所 :上田市中央3-7-3
 開業時間 :10:00~18:00(入館は~17:30)
 休業日 :水曜(祝日の場合は翌日)
 料金 :400円
 アクセス :JR上田駅から徒歩10分
 駐車場 :なし
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺 ’21-’22年版』 P.115)


幸村と十勇士が躍動する真田の隠し湯

■別所温泉 石湯

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別所温泉は日本武尊(やまとたけるのみこと)によって発見されたという歴史ある温泉地で、清少納言の『枕草子』にも登場。この地は中世、北条氏によって治められていた歴史があり、当時建立された古刹も多く、信州の鎌倉とも呼ばれている。木曽義仲や真田家の主従、慈覚大師などがこの地の湯に浸かったとの記録があるが、小説『真田太平記』の中でも、幸村とともに草の者と呼ばれる忍者たちが活動する主要な舞台として描かれている。大湯、大師湯、石湯と3つある共同浴場のうち、石湯の前に立つ「真田幸村公 隠しの湯」という碑は著者・池波正太郎の筆跡。


 電話番号 :0268-38-5750(別所温泉財産区)
 住所 :上田市別所温泉
 開業時間 :6:00~22:00(受付は~21:30)
 休業日 :第2・4火曜(祝日の場合は営業)
 料金 :150円
 アクセス :上田電鉄・別所温泉駅から徒歩10分
 駐車場 :7台
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺 ’21-’22年版』 P.118)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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