vol.79

和歌や神社といった日本の核となる文物がここで発祥国内屈指の神話の舞台、出雲を行く

里山に、海岸の夕陽に
あるいは古社、遺跡、祭りに
いまも生き生きとした神々の面影を宿す
国内随一のパワースポット


最古の和歌は神様が詠まれた

おとな旅 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
これは史上初めて詠まれたとされる一首で、つまりは和歌の起源。詠み人は出雲大社の祭神、大国主大神の父でおられる須佐之男命。八岐大蛇を退治した後、櫛名田比売を妻として迎えた須佐之男命が新居を建てられた折りの句で、史上、一首めの和歌は人間ではなく神様によって詠まれたらしい。


神聖な空気漂う神話の舞台

おとな旅 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取

さらに、「八雲立つ」は「出雲」にかかる枕詞であることからも窺い知れるが、出雲は宮崎の高千穂と並ぶ日本神話のメイン・ステージ。至るところに古事記に描かれた神々の足跡が残されており、前述の八岐大蛇退治や、子供向けの昔噺としても広く知られる因幡の白兎などに因んだスポットが実在の場所として点在している。豊かな自然や里山の風景の中に数々の古社があり、須佐之男命がこの地に降りられて「我が心すがすがし」と感じられて新居建立の場を定められたと伝わるとおり、一帯には、どこか心地よい神聖な空気が漂っている。


国内最大の木造社殿に圧倒される

■出雲大社

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御祭神は「だいこくさま」と呼ばれ親しまれている大国主大神で、五穀豊穣、商売繁盛、病平癒などのご利益が厚いと八百万の神々のなかでも屈指の人気を誇る神様。さらに、本邦では旧暦の10月を神無月と呼ぶが、国じゅうの神々が大社に集結する出雲でのみ、神在月と称される。この、年1回の神様たちのミーティングでは人々を繋ぐ縁について話し合われているとのことで、出雲大社は縁結びのお社としても名高い。議題に上がる縁は恋愛、結婚についてのもののみにあらず、仕事やお金とのご縁についても議られるとあって、特に旧暦の10月は老若男女を問わず熱心に祈る姿が見られる。また、一年の折り返しとなる6月の30日夕方には大きな茅の輪をくぐり、知らず知らずのうちにため込んだケガレを払い、無病息災を祈る大祓式が執り行われる。


 電話番号 :0853-53-3100
 住所 :島根県出雲市大社町杵築東195
 営業時間 :6:00(11~2月6:30)~20:00
 休業日 :無休
 料金 :宝物館300円、彰古館200円
 アクセス :JR出雲市駅から一畑バス・大社線で22分、正門前下車すぐ/一畑電車・出雲大社前駅から徒歩5分
 駐車場 :あり(385台、季節によって変動あり) *詳しくはHPを確認
(『おとな旅プレミアム 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取 ’21-’22年版』 P.32)


国譲りや国引きの神話の舞台となった

■稲佐の浜

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広々とした砂浜に、鳥居の目立つ弁天島が鎮座する。大国主大神と、天照大神に遣わされた建御雷之男神が国を譲るかどうかの交渉を行ったとされる屏風岩や、国引きの際に使われたロープが海岸となったとされる長浜海岸に続いており、まさに出雲神話の中心的な舞台。出雲でも屈指のパワースポットとして名高く、景色も素晴らしいため、この浜の写真を待ち受け画面にする人も多い。また、旧暦の10月10日の夕刻には、この浜で出雲大社の神迎神事が執り行われ、神在月の神議りのためにお集まりになる神々をお迎えする。神々はこの浜から大鳥居を抜け、神迎の道を通って大社へと入られる。


 電話番号 :0853-53-2112(出雲観光協会 大社営業所)
 住所 :島根県出雲市大社町杵築北稲佐
 アクセス :出雲大社から車で3分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取 ’21-’22年版』 P.48)


日本初の神社にして和歌発祥の地

■須我神社

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斐伊川の上流で娘を連れ、泣いている老夫婦を見つけた須佐之男命(すさのおのみこと)が涙の訳を問うと、「私たちには8人の娘がいましたが、毎年、8つの頭と8つの尾を持つ八岐大蛇が来て一人ずつ娘を食べてしまった。今年は最後に残された末娘、稲田姫命(いなだひめのみこと)まで食べられてしまうのではないかと思うと悲しくてならない。」という。そこで須佐之男命は、比売を私の妻にくれるなら、八岐大蛇を退治してやろうと提案。夫婦が頷いたため、命は強い酒を持って大蛇を酔いつぶし、剣で切り刻んで退治したという。退治後、須佐之男命と稲田姫命は須賀の地に降り立ち、「我が心、すがすがし」と言って、新居として建立されたとの御由緒を持つお宮がこの須我神社。これが日本で最初の神社であり、建立に際して命が詠まれた歌が日本初の和歌となったとされる。


 電話番号 :0854-43-2906
 住所 :島根県雲南市大東町須賀260
 営業時間 :8:30~17:00
 休業日 :無休
 料金 :無料
 アクセス :JR松江駅から車で25分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 出雲・松江 石見銀山・境港・鳥取 ’21-’22年版』 P.49)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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