Vol. 51

日本最古のコンビナートに見る幕末、明治を代表する雄藩、薩摩の産業力

幕末の名君、島津斉彬公が
国の命運をかけて起こした
西洋式の産業集団
集成館事業の痕跡に触れる

薩摩が明治維新のリーダーたりえた理由

おとな旅 鹿児島・宮崎 熊本・屋久島・高千穂

他藩は太平の深い眠りの中にあった幕末。下田沖にペリーが現れて幕府などは大いに驚いたが、薩摩藩は別だった。日本の南西端に位置する薩摩にはしばしば外国船が姿を見せており、幕末の名君として知られる島津斉彬公から3代も前、島津重豪はすでに欧米の文明に興味を抱いていた。長崎のオランダ商館から入手できる文物を用いて欧米の知識や言語、文化などを学び、蘭癖大名と呼ばれるほど熱心であったという。


のちに世界遺産になった産業革命の遺跡

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のちの名君、斉彬は幼い頃、重豪公に連れられてシーボルトと面会したという逸話もあり、自然、西洋の文明に造詣を深めつつ成長する。斉彬公は藩主となるや集成館事業と呼ばれる産業革命を起こす。富国強兵、殖産興業を掲げて製鉄、製鋼といった重工業を進め、洋式の船や武器弾薬を造り、糸やガラス製品等の産業を形づくったのだ。これらの遺跡は、「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産の一部にも指定。歴代の藩主が愛した南国ならではの大名庭園や、事業を支えたイギリス人技士が暮らした洋館などとともに、見応えのある名所となっている。


世界遺産に登録される島津家別邸

■仙巌園(せんがんえん)

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万治元(1658)年に2代鹿児島藩主であり、島津家19代当主である島津光久が築いた別邸で、桜島を築山に、錦江湾を池に見立てた、なんとも薩摩らしい雄大な大名庭園が見どころ。歴代の当主に愛され、幕末には迎賓館としての役割を担っていた。また、島津斉彬が推めた集成館事業の跡地でもあり、大砲を造るために建てた反射炉の跡地や、水力発電ダム跡、ガス灯の実験に使った石灯籠などが残る。


 電話番号 :099-247-1551
 住所 :鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
 開園時間 :8:30~17:30
 休園 :無休
 入園料 :1000円、小・中学生500円(尚古集成館と共通)、御殿共通券1300円、小・中学生650円
 アクセス :仙巌園前/仙巌園(磯庭園)前バス停からすぐ
 駐車場 :あり(100台・300円)
(『おとな旅プレミアム 鹿児島・宮崎 熊本・屋久島・高千穂 ’19-‘20年版』P.42〜44)


仙巌園内の絶景レストランで郷土の味に舌鼓

■御膳所 桜華亭(ごぜんどころ おうかてい)

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仙巌園内にあり、大きな窓ガラス越しにすべての席から桜島が見渡せるレストランで、歴代の当主が眺めたであろう眺望が素晴らしい。黒豚、きびなごといった地元の食材や、鶏飯、薩摩揚げなどの郷土料理、斉彬公の好物といわれる鯛、西郷隆盛が大好きだったという鰻などが味わえる。きびなごのお刺身、薩摩揚げ盛り合わせ、黒豚重ねカツといった単品メニューもあり、ご飯や薩摩汁などのセットを付けた定食としても楽しめるが、多彩な小鉢が付いた御膳類がおすすめ。


 電話番号 :099-247-1551(仙巌園)
 住所 :鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
 営業時間 :11:00~16:00(LO15:30)
 休業日 :無休
 アクセス :仙巌園前/仙巌園(磯庭園)前バス停からすぐ
 駐車場 :あり(100台・300円)
(『おとな旅プレミアム 鹿児島・宮崎 熊本・屋久島・高千穂 ’19-‘20年版』P.47)


日本に現存する最古の洋館

■旧鹿児島紡績所技師館(異人館)

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藩主、島津斉彬の命を受け、イギリスから導入した洋式機械紡績工場の操業指導をした英国人が暮らした異人館。コロニアル様式の洋館ではあるが、日本人の大工たちが建てたため、どこか日本的な雰囲気があり、おもしろい。ここも世界遺産の一部となっている。


 電話番号 :099-247-3401
 住所 :鹿児島県鹿児島市吉野町9685-15
 開園時間 :8:30~17:30
 休園 :無休
 入園料 :200円、小・中学生100円
 アクセス :異人館前バス停から徒歩1分、または仙巌園前/仙巌園(磯庭園)前バス停から徒歩2分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 鹿児島・宮崎 熊本・屋久島・高千穂 ’19-‘20年版』P.46)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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