Vol. 49

明治の文豪、俳人を数多輩出伊予松山を「文学」テーマに歩く

正岡子規に、高浜虚子
『坊ちゃん』や『坂の上の雲』
日本の近代文学を築いた
偉大な人物たちの足跡を辿る

伊予は昔もいまも文学のレベルが高い土地

おとな旅 伊予 松山

テレビの添削番組の影響もあるのだろうか。近年、俳句の裾野が広がっている。高校生、社会人といった年齢別、あるいは、新聞社やお茶を商う会社主催のコンテストなどに数多の句が寄せられ、秀逸な作品も多い。国語を始め、教育は日本全国、同一のカリキュラムで行われているはずだが、地域によるレベルの優劣もあるようで、各大会で四国、愛媛松山の受賞者が目に付く。正岡子規、高浜虚子、河東碧梧桐、中村草田男と、日本の近代文学草創期、数多くの俳人を輩出した伝統と土地柄は明治の昔も令和のいまも変わりがないようだ。


松山ゆかりの文豪、俳人

おとな旅 伊予 松山

子規のキャラクターと交遊関係の広さによるところも大きいが、明治には松山生まれの人々のほか、夏目漱石や種田山頭火など、この土地にゆかりのある文豪もたくさんいる。文学者ではないが、司馬遼太郎の小説、『坂の上の雲』で子規の学友として描かれた秋山真之も松山出身。海軍将校ながら文学的素養の高い人物だったようで、彼の書いた報告文や命令文などは名文として知られ、日露戦争終結時の『連合艦隊解散ノ辞』は世界各国語に翻訳されて、ルーズベルト大統領など各国要人を感動させたという。現在、私たちが当たり前の日本語として使っている言葉にも、子規、漱石、真之らが翻訳、造語したと言われる単語がたくさんある。
明治後期、松山は言葉と文学のホットスポットだったのだろう。


正岡子規、幼少期の暮らしを垣間見る

■子規堂(しきどう)

おとな旅 伊予 松山

正岡家の菩提寺、正宗寺にある記念堂で、子規が17歳まで暮らした生家を復元。もともとは実際の正岡邸を一部移築したものだったが、松山空襲によって消失してしまったため、妹の律が遺した図や、友人であった柳原極堂の記憶に基づき再建された。子規が愛用していた机や墨、直筆の原稿など、遺品の数々が展示されており、子規の性格や生い立ち、暮らしぶりがわかる。また、境内には、正岡家のお墓や、子規の理髪塔、高浜虚子の筆塚などもある。


 電話 :089-945-0400
 住所 :愛媛県松山市末広町16-3
 開館時間 :9:00~17:00(最終入館16:40)
 休館日 :無休
 入館料 :50円
 アクセス :伊予鉄道・松山市電停から徒歩4分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 四国 ’19-‘20年版』P.79)


漱石の『坊ちゃん』にも登場する現役の公衆浴場

■道後温泉本館(どうごおんせんほんかん)

おとな旅 伊予 松山

明治27(1894)年に改築された公衆浴場。入口の破風も見事な三層楼の建物で、名所としても名高いが、現在も410円~という手ごろな価格で利用できる。東京から赴任してきた漱石自身の体験をベースに書いた『坊ちゃん』では、「おれはここへ来てから、毎日住田の温泉へ行く事にきめている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけは立派なものだ。」と登場する。道後温泉は聖徳太子も浴したと言われる日本でも屈指の古湯で、美肌効果の高いアルカリ性単純泉、無加温、無加水の掛け流し。


 電話 :089-921-5141
 住所 :愛媛県松山市道後湯之町5-6
 開館時間 :コースにより異なる
 休館日 :無休(12月に1日臨時休業あり)
 入館料 :神の湯階下410円ほか
 アクセス :伊予鉄道・道後温泉電停から徒歩5分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 四国 ’19-‘20年版』P.88)


建物の設計は安藤忠雄氏

■坂の上の雲ミュージアム(さかのうえのくもみゅーじあむ)

おとな旅 伊予 松山

産経新聞で昭和43(1968)年から4年半にわたって連載された司馬遼太郎の代表作、『坂の上の雲』をテーマにしたミュージアム。日本陸軍における「騎兵の父」と呼ばれる秋山好古と、その弟で日露戦争時にバルチック艦隊を相手に完全勝利する作戦を立てた秋山真之、そして正岡子規という明治時代に松山が生んだ3人の人物を中心に激動の明治日本を描いた小説で、彼らの足跡や、1296回にわたって連載された小説の掲示など、見応えのある展示が並ぶ。


 電話 :089-915-2600
 住所 :愛媛県松山市一番町3-20
 開館時間 :9:00~18:30(入館は~18:00)
 休館日 :月曜(祝日の場合は開館)、臨時休館あり
 入館料 :400円
 アクセス :伊予鉄道・大街道電停から徒歩2分
 駐車場 :なし
(『おとな旅プレミアム 四国 ’19-‘20年版』P.77)


画像素材: PIXTA 他


【LINE公式アカウントでも配信中!】
特集記事はLINE公式アカウントでも配信中です。ぜひ「友だち追加」してください

友だち追加