Vol. 34

深緑と花々に彩られた富士五湖を巡る爽快なドライブ

富士の山容が青空にくっきりと映え
色とりどりの花が湖畔を染める夏。
大自然の息吹を感じながら
富士五湖の周辺を快適に走る。

富士山の噴火で生まれた自然の神秘

富士五湖は、富士山麓に点在する5つの湖の総称。東から、山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖が連なり、背後にそびえる富士山と調和して見事な景観を織りなす。いずれも、富士山の噴火で流出した溶岩が谷川をせき止めてできた堰止湖。西湖、精進湖、本栖湖は水位がほぼ同じで、増水や減水が同時に起こることから、地下で水脈がつながっていると考えられている。
台風などで大雨が降ると、精進湖の南東に「赤池」という小さな池が現れることがある。出現するのは数年に一度。幻の6番目の湖だ。
富士五湖の周囲をぐるりと巡るルートは、爽快なドライブコース。木々が鬱蒼と茂り、澄んだ湖面に深緑が映える夏、神秘の光景に出会えるかもしれない。


山麓の湖畔に咲く、色鮮やかな夏の花々

「富士には、月見草がよく似合ふ」。太宰治の短編小説『富嶽百景』に登場する有名な一節だが、「ちらとひとめ見た黄金色の月見草の花ひとつ」との描写から、ここに書かれているのは白い月見草ではなく、黄色い待宵草だと思われる。月見草と待宵草は、いずれもマツヨイグサ属の植物。夏の夕方に花開き、翌朝にはしぼんでしまう可憐な一日花だ。
月に照らされて咲く儚げな花もいいが、明るい陽光を浴びて盛大に咲く花も富士には似合う。初夏の河口湖畔はラベンダーで紫一色に染まり、山中湖近くに広がる花の都公園では、ポピーや百日草、ヒマワリなどが次々と咲き揃う。富士の雄姿と色とりどりの花々の競演。鮮やかな夏景色が目に眩しい。


神々しさに息をのむ、朝日に染まる赤富士

富士山を題材とした芸術作品は多い。その代表格といえば、葛飾北斎の『富嶽三十六景』だろう。なかでも有名なのが『凱風快晴』。通称「赤富士」として知られる傑作だ。赤富士が見られるのは、夏から初秋にかけて。山頂の残雪がほぼなくなり、山肌が露出する7月になると、そろそろ赤富士の季節到来だ。空気の澄んだ夏の早朝、東の空が朝焼けに染まる頃、朝日を浴びた赤茶色の山肌はいっそう赤みを増して、燃えるような色彩を帯びる。ちなみに、よく混同されるのが、冬の紅富士。こちらは雪化粧の富士山が朝夕の光に照らされて紅色に輝く様子を指す。夏は早起きして、名画の風景を眺めてみたい。


画像素材:PIXTA


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