Vol. 31

幕末〜維新の志士を輩出した城下町夏みかんの香りに包まれる萩へ

古い街並が美しく保存された萩城の城下町。
多くの志士が幕末を駆け抜けた。
津和野では殿町通り沿いの水路で鯉と遊び、
千本鳥居の圧倒的なパワーを全身に浴びる

三角州に生まれた城下町・萩は多くの逸材を育てた

萩市の中心部(旧萩市)は、日本海に注ぐ阿武川の2本の支流、橋本川と松本川によって形成された三角州上に位置。デルタの西端にある指月山に、慶長9年(1604)、毛利氏が長州藩の居城として築いた萩城の城下町として発展した都市だ。
幕末から明治維新にかけて、この地に生まれ育った吉田松陰は私塾「松下村塾」で、高杉晋作や久坂玄瑞(妻は松陰の妹)、桂小五郎(木戸孝允)、伊藤博文らの人材を輩出。市内には彼らに関連する史跡が随所に残る。また、古い街並も多く保存され、鍵曲(かいまがり)などが見られる「平安古地区」など、萩市には4エリアもの「重要伝統的建造物群保存地区」がある。江戸への参勤交代に使われた「萩往還」は国の史跡に指定されている。
(『おとな旅プレミアム萩・津和野 下関・門司’19-‘20年版』P32)


日本の工業化・近代化に大きな足跡を残した遺産がいっぱい

萩市は「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の萩エリアとして2015年に世界遺産に登録された。この遺産は8県11市に分散し、28遺産からなる。萩エリアの遺産は、藩の産業化などの政策を進めた「萩城下町」、西洋式大砲鋳造のための「萩反射炉」、西洋式帆船の「恵美須ヶ鼻造船所跡」、「大板山たたら製鉄遺跡」、海防における工学教育の重要性を提唱した松陰の「松下村塾」の5つの資産で構成されている。(同P51)
萩の自然の景観としては、市内の武家屋敷の土塀などからのぞく夏みかんの光景(花は5月上旬〜中旬)や、市の北東部にある、松陰が開港を勧めた須佐湾では「須佐ホルンフェルス」と呼ばれる自然の造形美が見られる。


山間の小京都では堀割の鯉と戯れ、神秘的な神社へ

津和野は萩とセットで語られることの多い人気の観光地なので、津和野も萩と同じ山口県にあると思い込んでいる人が多いが、じつは島根県西部の山間地に位置し、両スポット間は約50kmの距離がある。
鎌倉時代に津和野盆地を一望する霊亀山に築かれた山城・津和野城の城下町として発展し、現在は「山陰の小京都」とも呼ばれる。武家屋敷や旧藩校などが残る「殿町通り」と、通り沿いを流れる水路を泳ぐ鯉の光景はよく知られる。霊亀山中腹に鎮座する「太皷谷“稲成”神社」の表参道に並ぶ圧巻の「千本鳥居」はパワースポットとして人気が高い。(同P76)
JRでのアクセスなら、山口線の新山口駅からSLやまぐち号を利用すれば、津和野駅まで約2時間のレトロな旅も体験できる。


画像素材:PIXTA


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