Vol. 20

碧い海と満天の星いまも変わらぬ絶景に歴史を宿す長崎、五島列島

世界遺産の登録や映画『沈黙』の公開で
新たに注目が高まる歴史的エリア。
美しく澄んだ自然を背景に点在する、
祈りの痕跡を辿る旅

世界遺産、潜伏キリシタンの史跡群

2018年6月、「潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録された長崎、天草地方。昨年(2017年)、日本でも公開されたマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙-サイレンス』(原作は遠藤周作の小説『沈黙』)で描かれた壮絶な信仰と弾圧の歴史で知られ、教徒たちが潜伏するきっかけとなった「島原の乱」の原城跡、信仰や儀式を独自の方法で守り、固有のスタイルに変容させてきた集落の数々、明治のキリスト教解禁後に建てられた教会群等、隠れキリシタン関連の史跡が数多く残る。これらの集落や教会は長崎の外海エリアや平戸、五島列島をはじめとする島々に点在している。
(『おとな旅プレミアム長崎 ハウステンボス・五島列島’19-’20年版』P20~)

 

急峻な山に囲まれた小さな入江の集落の風景にひっそりと隠れ暮さなければならなかった彼らの受難の日々を思い、和洋の建築様式が入り混じった教会の姿に自由を得た人々の喜びを感じる。澄みきった海や山々の美しさとのコントラストも相まって、長崎市外海地区に立つ沈黙の碑に刻まれた、「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです」という遠藤周作の言葉が哀切と実感を伴って胸に迫る。映画や小説を見てから訪れると一層イメージが鮮烈で、目前の絶景に、為政者の目を逃れて暮らす人々の信仰の営みが二重写しに見える気さえする。

 

五島列島は夜の夜景も美しい

五島列島は、星空の美しさでも知られている。日本国内でも南西にあるため、北海道や東北、関東はもちろん、関西、四国などとも異なる星が見られる。また、都市からの光害の影響も少なく、天候などの条件が揃えば天の川もくっきり。まさに満天の星だ。なかでも列島最大の島、福江島には天文台があり、完全予約制で一般に公開されている。時期によっては星空鑑賞のためのナイトツアーも催行。芝に寝転んで夜空を見上げ、降るような星を眺めてゆったりと時を過ごすのもまた、旅ならではの非日常感。贅沢な気分が味わえる。


街の夜景も見ごたえ十分

 

一方、長崎は人々の暮らしによって作られる夜景の名所。函館、神戸と並ぶ日本三大夜景のひとつに数えられている。山々が長崎港を取り囲み、すり鉢状の地形を都市の灯りが彩って、こちらもまた美しい。「レストラン ロータス」、「ひかりのレストラン」(同書P.32-33)など、窓の外に夜景の広がるレストランもあり、都市ならではの過ごし方が堪能できる。
さらにこの時期、見逃せないのがハウステンボスのイルミネーションイベント「光の王国」。2018年10月20日から2019年4月21日までの期間、日没から22:00まで点灯される光のショーは世界最大級。1300万球のライトを用いた圧倒的な規模で、運河を行く船上でライブを行なう水上パレードやシンボルタワーから溢れる光の滝、水と光が音楽に合わせて踊る噴水ショー、プロジェクション・マッピングを使った3Dのライトショーなど、圧倒的な規模と華やかさを誇る。
島と街、テーマパークと、それぞれにまったく異なる趣に、いずれも魅了される長崎の夜の景色だ。

 

画像素材:PIXTA


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