Vol. 18

安芸の宮島で秋を満喫神の島を彩る紅葉の風景を愛で、
秋の味覚を堪能する

松島、天橋立と並び称される日本三景。
その美しさが一層際立つ紅葉の秋は
広島の名物が味わいを増す季節でもある。
山や公園を歩き、信仰と歴史の跡を辿る、絶景と美食の厳島散策

平家の手による壮麗豪奢な海上社殿

宮島とも称される厳島の社は、ほとんどすべての建造物が国宝、または国の重要文化財に指定されている。さらには1996(平成8)年、弥山原生林とともにユネスコの世界遺産にも登録。本殿は日本に数ある神社のなかでも最大の大きさを誇り、満潮時、海上に浮かぶように建つ朱塗りの社殿、鳥居は幻想的とも言える見事さで見る者を圧倒する。 厳島神社の歴史は推古天皇や聖徳太子の時代にまでさかのぼり、593(推古元)年、この地域の豪族、佐伯鞍職(さえきのくらもと)によって建立されたという。現在の優美な寝殿造りに改まったのは1168(仁安3)年のこと。高野山の高僧に「厳島神社を整えよ。社殿完成の暁には並ぶ者がいないほどの位階を得るだろう。」と告げられた平清盛が造営した。以降、戦や火災などに見舞われつつも、毛利元就、豊臣秀吉など、時の権力者の庇護を受けて再建や修繕を繰り返し、美しい姿を今に残している。
(厳島神社については『おとな旅プレミアム宮島・広島 尾道・倉敷』P24~)

   

秋の宮島は「鹿に紅葉」の花札そのまま

かつて、安芸の宮島をもじった「秋の宮島」との観光ポスターがあったが、宮島は紅葉も美しい。もっとも有名なスポットはその名も紅葉谷公園。弥山の谷間、紅葉谷川沿いにあり、11月ともなると、イロハモミジ、ヤマモミジ、ウリハダカエデとさまざまな種類の紅葉が赤く染まる。神使として島で暮らす鹿が木々の下でのんびりとくつろぐさまは、まるで実写版の花札。思わずシャッターを切りたくなる風景だ。
また、ハイキングが楽しめる弥山の紅葉も見事。標高535m、花崗岩が風化してできた奇岩の景観がおもしろく、原生林の一部は国の天然記念物にも指定されている。山頂からの眺望はことに見事で、「日本三景の一の真価は弥山頂上からの眺望にあり」という伊藤博文の言葉も残るほど。歩くと2時間ほどの山道だが、ロープウェイを使えば1度の乗り換えを経て20~30分ほどで到着。島影が無数に浮かぶ瀬戸内海が見渡せる。
さらに、注目度の上がりつつある秋景が豊臣秀吉ゆかりの豊国神社。建築途中の秀吉の死により、壁や天井板が造られなかった未完の社だ。約千畳(実際には857畳)の広さから千畳閣と呼ばれる大広間の床板に、外に立つ木々の葉が映り込み、一風変わった紅葉が楽しめる。


宮島で秋の広島グルメに舌鼓

 

日本トップの養殖量を誇る広島の牡蠣。10月ごろから出荷がはじまり、寒さが増すほどに旨みが増す。宮島にも専門店や牡蠣を取り扱う店が多く、生で、焼いて、フライで、牡蠣めしで、とさまざまに味わえる。加えてもうひとつの名物、穴子も11~12月のものは脂がのって、ひときわ美味い。秋の宮島は舌を楽しませるのにも最高の季節といえる。

 

画像素材:PIXTA


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