Vol. 15

うまし国・伊勢の神宮で奉納される御神楽はまるで平安絵巻の華やかさ

年間1500以上もの祭りや行事が執り行われる伊勢神宮。
その中でも春と秋に行われる神楽祭は最も華やかな行事。
赤や黄に色づき始めた木々を背景に
厳か、かつ優美な雅楽と舞を拝観する。

神様に感謝し、国の平安を祈る神楽祭

 

神楽とは、神道において神に奉納する歌舞のこと。神代、天岩戸(あまのいわと)に篭ってしまわれた天照大御神(あまてらすおおみかみ)に外に出て来ていただくため、天宇受賣命(あめのうずめ)が踊られたことがルーツだとされているが、伊勢神宮で年に2回、現在のような形で公開されるようになったのは昭和20年代の初め以降。毎年、春は昭和の日、秋は秋分の日をはさむ3日間に執り行われる。

 

今年の秋は、9月22日(土)~24日(月)の3日間に開催。伊勢神宮の内宮神苑に特設舞台が設けられ、初日の22日(土)には8:30から外宮で、10:00からは内宮で、それぞれの神楽殿において御神楽が奉奏され、各日の11:00、14:00には内宮神苑の特設舞台で舞楽が公開される。(*ただし、雨天の場合、公開舞楽は参集殿能舞台で11:00のみ)

 

   

平安時代の物語にも描かれてきた雅な舞

 

澄んだ青空の下、近づきつつある秋を感じつつ内宮神苑へと進むと、朱の欄干に縁取られた特設舞台が現れる。演目は毎回異なるが、最初の舞は決まって『振鉾(えんぶ)』。舞台を祓い清めるもので、周の武王が殷の暴君、帝辛を滅ぼしたという古代中国の故事をもとにした舞。襲装束(かさねしょうぞく)に身を包んだ舞人が、金色、銀色の鉾を振って、天地を鎮め安んじる舞を踏む。昨年秋には、これに続いて『迦陵頻(かりょうびん)』『八仙(はっせん)』『長慶子(ちょうげいし)』が、今年春には『北庭楽(ほくていらく)』『胡蝶(こちょう)』『長慶子(ちょうげいし)』が披露された。いずれも色鮮やかな平安時代の衣装に身を包んだ踊り手の姿が華やかで、笙や篳篥(ひちりき)、太鼓といった菅方(かんがた)による雅楽の音色も美しく、『源氏物語』などで描かれた舞や楽が目前で繰り広げられるさまは圧巻。紅葉に染まり始めた周囲の木々も相まって、まさに平安絵巻といった光景だ。

 

神楽祭にあわせたイベントも楽しみ

 

神楽祭の時期に催される他のイベントも見逃せない。 内宮宇治橋東詰にある神宮茶室は、1年に2回のみ、神楽祭と同期間に公開される。松下幸之助氏が寄贈したもので、「真」「行」「草」の3棟があり、庭から外観と大腰掛待合を拝見することができる。  

 

また、9月15日(土)~30日(日)におかげ横丁で催される「来る福招き猫まつり」も楽しい。開催時間は「ふく」に語呂を合わせて9:29~17:29まで。今年は平成最後ということで、『平成の招き猫 集まれ!』と題し、平成の時代に作られた招き猫が多数、集結する。五十鈴茶屋本店前で現代作家の招き猫を展示したり、かみしばい広場で招き猫絵付け教室(9月15日(土)~30日(日)、小1300円、大1600円)を開いたりと、招き猫にちなんだ催しが目白押し。9月29日(土)9:29には常夜燈前で、地元の氏神様にお祓いを受けた福鈴が929名に授与されるなど、伊勢らしい開運招福をテーマにしたおめでたいイベントとなる。  

 

画像素材:PIXTA


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