Vol. 13

夜空に浮かび上がる古都の世界遺産初秋の奈良でナイトウォーキング

世界遺産の寺社が並ぶ奈良公園周辺では
9月に古建築がライトアップされ、
複数の寺社では荘厳な夜の行事も催される。
古都の幽玄な世界が静寂に広がる、
夜の奈良公園散策の見どころを紹介。

世界遺産の宝庫・奈良公園へ

 

東大寺、興福寺、春日大社などの世界遺産が集まる奈良公園は、古都・奈良を代表する観光スポット。平城宮の東に位置し、710年の平城遷都後に寺社仏閣が次々と建造された。公園となったのは明治13年(1880)からで、山林や寺社を含めた総面積は約660haにおよぶ。重厚な寺社建築を背景に緑の芝生や林に野生のシカが群れ遊ぶ風景が象徴的だ。春日大社の神様の使いとされるシカの現在の生息数は約1200頭で、国の天然記念物に指定されている。  

 

奈良公園一帯では夏から初秋にかけて、寺社などの歴史建築をライトアップする恒例イベント「ライトアッププロムナード・なら」が催される。今年は7月14日~9月30日の19時(9月は18時)~22時。照明で浮かび上がる歴史建築の神秘的な姿を眺めに、夜の奈良公園を散策してみよう。

   

夜の水面に映える五重塔と浮見堂

 

JR奈良駅から三条通りを奈良公園へ向かうと、世界遺産・興福寺の五重塔が姿を現す。興福寺は平城遷都の際に飛鳥から移された中臣(藤原)鎌足ゆかりの寺院。高さ約51mの壮麗な五重塔は奈良観光のシンボル的存在だ。足元から照らされ威厳を増す五重塔。緻密な意匠が夜空にくっきりと浮かび上がる。興福寺の向かいにある猿沢池では、水面に映り込む五重塔の優美な姿を眺められる。猿沢池に映る月もまた、奈良八景のひとつに選ばれる美景。中秋の名月の日(今年は9月24日)には、池北西にある采女神社で采女祭が夕方から催される。雅楽が奏でられ、流し灯籠の浮かぶ池を管絃船が進む雅やかな神事だ。  

 

三条通りをさらに東へ進むと、照明に浮かぶ春日大社の一之鳥居が現れる。鳥居の北にある奈良国立博物館では、本館「なら仏像館」と仏教美術資料研究センターがライトアップされ、洋館と和洋折衷建築の美を楽しめる。一之鳥居の南にある鷺池では、中央に浮かぶ檜皮葺六角形の休憩所「浮見堂」にオレンジの明かりが灯る。水面に鏡映しとなって揺らめく姿は夢幻の美しさを秘めている。  

 

万灯籠が幻想的な春日大社と東大寺

 

参道の先を進めば、世界遺産・春日大社本殿に至る。平城京の守護を目的に建造され、今年で創建1250年を迎える。9月にさまざまな奉祝行事が催され、15~17日の夜には境内3000基の灯籠を灯す幻想的な行事「奉祝万燈籠」を開催。16日の夜には出雲神楽奉納を無料で見学できる。
参道を戻り、北に広がる世界遺産・東大寺へ。世界最大の木造古建築・大仏殿に祀られる巨大仏はあまりにも有名。闇夜に照らされ迫力を増す大仏殿や南大門の金剛力士像は圧巻だ。東大寺のライトアップはこの時期限定なのでお見逃しなく。9月17日には18時から東大寺二月堂で十七夜の法要が営まれ、約600基の燈籠が境内を照らす。
公園東にそびえる若草山の山頂展望台からの夜景も見逃せない。光り瞬く奈良市街のパノラマ夜景は、新日本三大夜景のひとつ。展望台へはマイカーやタクシー、奈良駅から出る期間限定の夜景観賞バスなどを利用したい。  

 

ほかにも、平城宮跡の朱雀門と大極殿、薬師寺も同時にライトアップされているので、時間があれば出かけたい。  


画像素材:PIXTA


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