vol.117

和歌山県勝浦漁港に揚がる極上近海ものニッポン人の大好物、マグロ

生のまま膳に上る贅沢
味よし、色よし、香りよし
これから旬を迎える
那智勝浦の絶品クロマグロ


生マグロの水揚げは和歌山が日本一

おとな旅 南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮

日本のマグロの水揚げ港といえば、どこを思い浮かべるだろうか。毎年、高価な初競りが話題となるマグロの一大ブランド、大間。あるいは遠洋ものも含めた全漁獲量でトップクラスの静岡県焼津か宮城の塩釜。東京、横浜辺りにお住まいの方なら神奈川県の三崎も候補に挙がるかもしれない。
が、質×量を問うなら、やっぱり和歌山県勝浦港。沿岸のすぐ沖合を流れる黒潮と支流が豊かな漁場を育み、太平洋の荒波を泳ぐ天然のマグロが揚がる。また、勝浦のマグロは延縄で獲り、1本ずつ船内で活け締めにする。港と漁場が近いため冷凍する必要がなく、氷温保存して陸に上がる。ゆえに身の色が鮮やか。しかも、解凍時にドリップと呼ばれる旨みを含んだ水分が流れ出ることもないので味が濃く、しっとりとした弾力のある食感も素晴らしい。全国の高級鮨店でも供される逸品だ。


生マグロがおいしいのはこれからの季節

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和歌山の港に揚がるマグロは主に4種類。黒いダイヤ、本マグロとも呼ばれる希少なクロマグロ、その名のとおりパッチリと大きな目が特徴、脂が少なくサッパリとした味わいのメバチマグロ、関西地区で人気の高いキハダマグロは南洋で多く揚がり、ハワイなどでポキとして食したことのある人も多いだろう。身の色が薄く、柔らかな食感のビンチョウマグロ は、手頃な価格帯でもあり、人気が高い。


一般に遠洋で捕獲されるマグロは冷凍で届くことも多く、現代では旬という概念からもっとも離れた食材かもしれない。が、もちろんマグロにも旬がある。勝浦港のマグロは一度も冷凍されず、生のまま供されるため季節による味の変化も顕著だ。
種類を問わず、和歌山でのマグロのベストシーズンは海水温が低くなるこれからの季節。1月から5月にのみ漁が行われるクロマグロ以外は通年獲れるが、いずれも脂がのってもっともうまくなるのは1月末から4月ごろで、1月の最終土曜日には勝浦地方卸売市場でマグロ祭りが催される。ここ3年ほどコロナ禍で中止、あるいはオンライン開催が続いていたが、今年はリアルでの開催が決定。当日受け付けも含めて事前予約が必要ではあるものの、間近でマ グロの解体を見学したり、マグロ、あるいはマグロ汁などの料理が格安で購入できたりとマグロ三昧のお祭りが盛り上がる。


一面にマグロが並ぶ早朝のセリは圧巻の迫力

■勝浦漁港魚市場(かつうらぎょこううおいちば)

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海岸線が入り組んだリアス式海岸の一隅に位置し、三方を山に囲まれた勝浦港は海や天候が少々荒れても安全な天然の良港。加えて沖合には栄養豊富な黒潮が流れているため、この潮の流れに乗ったマグロやサンマ、カツオといった回遊性の魚がふんだんに獲れる。回遊性魚類以外にも、季節ごとに礒に居着いた伊勢エビか らタイ、マンボウまでが揚がり、多彩な魚介が売買されている。取り扱う魚介の種類の豊富さは那智勝浦漁港の大きな特徴のひとつだ。が、この漁港最大の目玉はなんといっても生マグロ。毎朝、7時ごろには床一面に大きなマグロがずらりと並び、活発にセリが行われる。場内は関係者以外立ち入りはできないが、2階のデッキから見学可能。活気溢れる取り引きの様子が見られる。


 電話 :0735-52-5311(那智勝浦町観光協会)
 住所 :那智勝浦町築地7-8-2
 営業時間 :セリ7:00~
 休業日 :土曜、祝日の前日ほか不定休
 料金 :2階見学無料
 アクセス :JR紀伊勝浦駅から徒歩5分
 駐車場 :なし
(『おとな旅プレミアム 南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』 P.72)


勝浦の絶品生マグロを味わい尽くす

■桂城(かつらぎ)

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マグロ料理店の多い勝浦でも特に好評を博す料理屋さん。マグロを丸々1尾単位で仕入れるため、トロや赤身といった一般的な身の部分のみならず、カマ、ホホ肉、脳天、目玉、心臓、ワタ、皮など、希少な部位まで余すところなく味わえる。また、調理法も刺身や丼、カツ、つみれ汁に生ハム、塩焼き、鉄板焼き、ユッケ、皮の湯引きと列挙しきれないほど多彩。マグロ好きなら一度は訪れたい名店だ。なかでも人気のメニューは、刺身、カツ、そぼろ煮、鉄板焼き、つみれ汁が手ごろな料金で一度に楽しめるまぐろ定食。ガッツリ食べたいという方には上まぐろ丼やレアカツ丼もおすすめ。週末などには、マグロの解体が見られることもある。


 電話 :0735-52-1845
 住所 :那智勝浦町勝浦398-11
 営業時間 :11:30~14:00(LO13:40) 17:00~20:30
 休業日 :月曜、第4日曜
 アクセス :JR紀伊勝浦駅から徒歩5分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』 P.73)


熊野灘を眺める潤沢な温泉の露天風呂と絶品マグロ料理

■かつうら御苑(かつうらぎょえん)

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海のすぐ前に建つ旅館で、那智の山々や熊野灘の絶景が自慢。露天風呂、滝見乃湯からは那智の滝も見ることができる。
また、かつうら御苑はマグロの仲買からスタートした宿でもあり、食事の質の高さで知られている。勝浦に揚がった天然生マグロを厳選した生マグロの刺身やレアカツはもちろん、秋冬のクエ、紀州産のアワビや伊勢エビ、太地産のクジラといった海鮮、地元のブランド牛である熊野牛など、絢爛豪華な食材をふんだんに使った会席料理が美味。これらのメイン食材はもちろん、野菜や調味料に至るまで、地産の食材にこだわっている。


おとな旅 南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮

 電話 :0735-52-0333
 住所 :那智勝浦町勝浦216-19
 アクセス :JR紀伊勝浦駅から徒歩10分
 駐車場:あり
 チェックイン:15:00
 チェックアウト:10:00
 客室数:113(禁煙14室)
 予算:1泊2食付1万5400円~
 日帰り入浴:15:00~21:00/1100円/不定休
(『おとな旅プレミアム 南紀・熊野古道 白浜・高野山・伊勢神宮』 P.160)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


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