Vol. 11

絢爛豪華な山鉾に感動京都の夏を華麗に飾る祇園祭

祇園祭の「コンチキチン」のお囃子の音が、
京都に本格的な夏の訪れを告げる。
鴨川べりには納涼床が設えられ、
鱧料理と冷酒で夕涼みをする人々。
7月は京都が祭り情緒に酔いしれる季節。

千年以上の歴史を持つ夏の大祭

 

祇園祭は京都市の祇園町にある八坂神社の夏の例祭。およそ1100年前から続く伝統の祭りで、大阪の天神祭、東京の神田祭とともに日本三大祭のひとつに数えられる。7月1日の吉符入から31日の疫神社夏越祭まで、さまざまな神事や行事が1カ月間続き、京都の街中が祭り一色に包まれる。  

 

祇園祭の起源は平安初期まで遡る。社伝によれば、貞観11年(869)に日本各地で疫病が蔓延し、それを鎮めるため催された神事の御霊会が祇園祭の起源とされる。平安京の広大な庭園の神泉園に当時の国の数である66本の鉾を立て、神輿を渡御し、八坂の神・スサノオノミコト(牛頭天王)に厄災除去を祈ったという。のちに年に一度の定期開催となり、京都の町衆の手で大きく発展。室町時代には巨大な山鉾が登場し、次第に現在のような華やかな祭りとなった。  

    

「動く美術館」と称される華麗な山鉾

1カ月にわたる祭りの中心神事が、17日の神幸祭と24日の夕方に行う還幸祭。八坂神社の3基の神輿が市内を渡御し、24日に神社へ帰還する。同日の午前中に、神様(神輿)の渡御する街を清める行事が山鉾巡行。各町内に伝わる絢爛豪華な山鉾が市内中心部を巡る、祇園祭のハイライトだ。山鉾とは大型の山車で、「山」には松の木、「鉾」には鉾(槍状の武器)を屋根上に掲げるのが基本。松と鉾が街の邪気を払うという。ほかにも飾り金具や舶来の織物、絵図など、それぞれ独自の懸装品を豪奢にまとい、数十万の見物客を魅了する。17日(前祭)には23基、24日(後祭)には10基の山鉾が、コンチキチンのお囃子の音に導かれて市内を練る。  

 

山鉾巡行とともに賑わうのが、その1~3日前に行われる宵山。美しく飾られた山鉾が各山鉾町でお披露目される。町内は露店などで賑わい、厄除けお守りのチマキも販売される。辺りが夕闇に包まれると、山鉾に吊るされた駒形提灯に明かりが灯され、宵山の祭り情緒を盛り上げる。宵山期間中、市内の老舗や旧家では、貴重な美術調度品を一般公開する屏風祭りを同時に開催。街が一体となって伝統の祭りを創り上げる。

 

夕食は涼やかな川床料理を堪能

街中が祇園祭の熱気に包まれる時期、鴨川べりではもうひとつの京都の夏の風物詩・納涼床が賑わいを見せる。川床とも呼ばれ、鴨川の二条から五条にかけて、料亭や旅館が夏のみ設ける川沿いの桟敷だ。暑い京都の夏を涼しく、そして風流にもてなす特等席だ。日が暮れて、納涼床の店灯りがきらきら揺らめく川面の情景も風情がある。
鴨川の納涼床は5月から9月に設けられ、鱧や鮎など豪勢な夏の京料理が夕食に供される。近ごろではイタリアンやフレンチ、カフェ、バーなど、テーブルを据えたモダンな床も増えた。川床デビューには、5月と9月のみ利用できる手ごろなランチ(昼床)もおすすめだ。  

 

避暑地として知られる京都の奥座敷・貴船でも川床を楽しめる。緑の木々と貴船川のせせらぎが心地良く、真夏には市街地より10℃近くも涼しくなる日もある。料理旅館や茶店が川をまたぐように床を設けており、手足を伸ばせば届きそうなほど川が近くて清涼感満点。新鮮な鮎などを使った本格懐石料理を昼と夜に味わえる。縁結びのパワースポットとして有名な貴船神社も併せて訪れたい。
納涼床や川床は季節が限られ人気が高いので、必ず予約をして出かけたい。  

 

画像素材:PIXTA


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