vol.107

宗教的ご利益とエンタメ性が共存する古刹一生に一度はお参りしたい善光寺

男女平等の先駆け
宗派も不問
すべての人を善男善女に
日本最古の阿弥陀如来仏


すべての人を迎え入れる!善光寺さんが無宗派の訳

おとな旅 軽井沢・小諸・上田・松代・松本・善光寺

画像提供:善光寺


たいていのお寺さんは浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗といった宗派に属しているが、善光寺には宗派がない。理由は明快で、創建が古く、さまざまな宗派ができる前から存在していたから。皇極天皇3年(644)、天皇の勅願によって伽藍が建てられたというから、仏教伝来直後に建立したことになる。文字で残された資料こそないものの、大正と戦前に境内で白鳳時代の瓦が見つかっているので、大化改新直後に建てられたのは間違いないだろう。
ゆえにいずれの宗派であろうとお参りできる。しかも、仏教では明治になるまで、修行の妨げになるとの理由で女人禁制のお山も多かったが、善光寺は創建当時から女性も歓迎。ご本尊である一光三尊阿弥陀如来はインドでとある長者の娘の病を癒され、善光寺建立を発願された皇極天皇も女性。「牛に引かれて善光寺参り」ということわざの元となった故事が有名だが、無信心で心の貧しい老婆を救ったとの逸話も残る。老若男女、貧富も宗派も隔てなく誰にでも門戸を開いているのだ。


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明治初期の善光寺境内略絵図
(『神社仏閣地図』〈国立国会図書館蔵〉より)


善光寺は極楽浄土への入口。お戒壇巡りで極楽往生結願

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画像提供:善光寺


善光寺は、参拝者を区別しないだけではない。「遠くとも一度は参れ善光寺」とのフレーズがあるが、このお寺を一度でも詣でれば、ご本尊である一光三尊阿弥陀如来とのご縁ができて極楽往生が叶うという。
極楽往生とは、仏教における人間の最終目標の一つで、輪廻を離れて極楽浄土に往くこと。極楽浄土は文字通り清らかなパラダイスで、美しさと喜びに満ちており、しかも、そこに居る人は現世などで悩み苦しむ他の人々を助けることができる。自らが極楽に達するため、さらには苦しみの中にある人々を救済せんがため、僧たちは厳しい修行をしたり、1日数万回にも及ぶ念仏を唱えたりと凄まじい努力を重ねるのだが、善光寺には極楽往生結願の錠前があり、触ると極楽往生が約束される。


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画像提供:善光寺


楽しみながら仏教究極のご利益まで得られる寺

■善光寺(ぜんこうじ)

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画像提供:善光寺


善光寺には文化財、美術品がたくさんある。本堂は東日本では最大級の国宝建築であり、山門、経蔵などが重要文化財に、梵鐘は国の重要美術品に指定されている。有形文化財である仁王門の仁王像は高村光雲と弟子の米原雲海の作で、歴史的な史料としても、美術、芸術品としても是非、拝見しておきたいものだ。


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画像提供:善光寺


さらに、ここは江戸時代、参拝に加え、周囲での飲食や見世物小屋が楽しまれた、アミューズメントパーク。それだけエンタメ性が高い。近年では、例えば御朱印。本堂、大本願、大勧進、日本忠霊殿のほか、39ある各宿坊でもいただくことができ、しかも、文殊菩薩や不動尊、お地蔵さまの御朱印、また、お盆、お正月といった季節ごとに、あるいは7年に一度の御開帳の時期にだけいただける御朱印など数多あり、御朱印好きは心が踊る。また、毎日のお朝事、定例日に行われる日中法要、大般若会とタイムスケジュールの決まった行事があり、参拝も可能。


そして何より、善光寺を訪れたら絶対にトライしたいのがお戒壇巡り。真っ暗な瑠璃檀下の回廊を壁伝いに歩き、ご本尊の下に位置する錠前に触れることができれば極楽往生が約束されるという。闇の中を手探りで歩くと不安や恐れ、「無」の体験が自らの心と向き合うことになる。
ほかにも、自身の具合が悪いところと同じ場所を撫でると怪我や病を癒してくれると言われるびんずる尊者、腕木を回すことで中に納められたすべての経典を読むのと同様の功徳が得られるとされる経蔵など、手で触り、参加し、体感することのできる仕掛けがたくさんある。


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画像提供:善光寺


 電話 :026-234-3591
 住所 :長野市長野元善町491-イ
 開館時間 :お戒壇巡り4:30~16:30 冬季6:00~16:00頃、史料館・山門・経蔵9:00~16:00
 休館日 :無休
 料金 :参拝自由 本堂内陣券(一般)600円、山門拝観券(一般)500円、
経蔵拝観券(一般)300円、三堂共通券(一般)1,200円
 駐車場 :400台(有料)
*詳しくは善光寺HPをご確認ください。
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺』 P.126)


参詣をより充実させるには宿坊に立ち寄るのがおすすめ

■常住院(じょうじゅういん)

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善光寺には39の宿坊がある。宿坊は善光寺に限らず多くのお寺にあり、お寺に泊まるという特別な体験ができるほか、宿坊に泊まると善光寺での早朝の行事に参加しやすいのもいい。
宿坊ごとにそれぞれ個性豊かだが、大日如来像がご本尊の常住院は平成に大規模な改修がなされたため、椅子とテーブルで食事できるなど、現代の私たちにも滞在しやすい仕様がうれしい。宿泊以外にも食事、写経、座禅体験なども可能で、ことに食事は、懐石料理を学んだ女将による精進懐石料理がおいしいと大好評。善光寺や仏教について教えてもらえるのも楽しく貴重な経験だ。


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 電話 :026-232-3090
 住所 :長野市長野元善町474
 営業時間 :予約時に要相談
 休園日 :要問い合わせ
 アクセス :JR長野駅からアルピコ交通バス善光寺線で8分、善光寺大門下車、徒歩5分
 駐車場 :善光寺駐車場利用
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺』 P.131)


善光寺は門前町も賑やか。老舗でおみやげを調達

■根元 八幡屋礒五郎(こんげんやわたやいそごろう)

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中世以前から露店が集い、商いが盛んだったという門前町はいまも活気あふれる商店街で、旅館や仏具店、みやげ物店、食事処などが軒を連ねている。おいしい蕎麦屋さんや、味噌を使った焼きおにぎりやソフトクリームを出す店、りんごのスイーツが評判のカフェなど、信州名物を扱う店も多く、おすすめの店は数あるが、善光寺と言えば外せないのが老舗の七味唐辛子、八幡屋礒五郎だ。元文元年(1736)創業の老舗であり、東京のやげん堀、京都の七味屋本舗と並んで三大七味に数えられる名店で、大正時代から続くという赤いボディと金色のキャップのブリキ缶パッケージも人気を博す。唐辛子、生姜、紫蘇、山椒、陳皮、胡麻、麻種を配したベーシックな七味のほか、国産のゆずを贅沢に使ったゆず七味、山椒と紫蘇の風味が際立つ山椒七味、夏にぴったりの七味バーベキューソルトなどバラエティ豊かな七味やオリジナル調味料が揃う。軽くて嵩張らないので善光寺みやげに最適。


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 電話 :026-232-8277
 住所 :長野市大門町83
 営業時間 :9:00~18:30
 休業日 :無休
 アクセス :JR長野駅からアルピコ交通バス善光寺線で8分、善光寺大門下車、徒歩1分
 駐車場 :なし
(『おとな旅プレミアム 軽井沢 小諸・上田・松代・松本・善光寺』 P.133)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像提供:善光寺 他


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