vol.106

2025年に再び開催される大阪万博のレガシーを訪ねる

高度成長期に未来を示したEXPO’70
活気溢れる時代の日本を振り返り
2025年の大阪万博に想いを馳せて
新たな未来に胸膨らませる夏


参加すれば未来が変わる。万博が巻き起こす大ブーム

日本が初めて万博に参加したのは、第5回目の1867年パリ万博。幕末~明治期の日本は新しい技術に対する好奇心と諸外国への興味が強かったようで、ペリー来航からわずか14年しか経ていないにもかかわらず、江戸幕府のほか、会津、鍋島(佐賀)、薩摩の諸藩がそれぞれ参加している。現地では陶磁器や浮世絵、武者人形などが評判となり、フランス発のジャポニズムが大旋風を起こして、ゴッホやモネなどの絵画、ドビュッシーやラヴェルらの音楽、ルイ・ヴィトンやクリストフル等のデザインに多大な影響を与え、さらにはアール・ヌーヴォーという1つの時代を築いた様式へと発展していく。


次の1873年ウィーン万博には日本政府として公式に出展。以来、日本は積極的に参加し続け、国内開催に向けて誘致活動にも乗り出す。1940年(昭和15年)には東京市万博の誘致に成功したが、日中戦争によって中止に追い込まれて幻の万博に終わる。日本にとって念願の初開催となったのが、1970年の大阪万博。欧米以外の国で行われた初めての大会であった。


おとな旅 大阪

いまの暮らしに息づく1970年大阪万博のレガシー

万博は万国博覧会の略で、国際博覧会とも言われる。国際博覧会条約から抜粋してみると、「万博とは二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用できる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」。平たく言えば、各国が貢献できそうな文化や技術を広く国際社会に披露し、未来への展望を示す教育のための催し。


実際、先の大阪万博で披露されたさまざまな文物が現代の私たちの生活に欠かせない存在となっている。一例が、携帯電話や温水洗浄トイレ。缶コーヒーやファミレス、回転寿司も大阪万博がきっかけとなって普及した。万博記念公園への足としても用いられるモノレールや、空港などでよく見る動く歩道、電気自動車、リニアモーターカーといった多様な移動手段も大阪万博、EXPO’70の大きなレガシーだ。さらには、学校での思い出の1ページとなっている方も多いであろうタイムカプセルが国内で普及したのも大阪万博がきっかけ。当時の松下電器と毎日新聞が企画、遂行し、カプセルは、いまも大阪城公園に埋められている。
来たる2025年には、再び大阪での万博開催が予定されている。今度は私たちにどんな新しい世界を見せてくれるのか、未来の私たちに何を残してくれるのか。ワクワクするような期待感がいまから湧き上がってくる。


おとな旅 大阪

1970年の大阪万博を振り返るにはまずこの施設

■EXPO’70パビリオン(エキスポななじゅうパビリオン)

1970年の万博会場跡地に整備された万博記念公園内に位置。EXPO’70で、実際に鉄鋼館というパビリオンだった建物をリニューアルし、公開している。設計は上野の東京文化会館などを手掛けた前川國男氏。万博開催時は「鉄の歌」をテーマに、当時の最新技術の粋を集めたホールが好評を博した。現在は、先の大阪万博の開催準備や運営の記録、さらには閉会後、跡地が万博記念公園として整備された様子を映像や写真、実際の展示物などを紹介。岡本太郎氏の作品で、先の万博のシンボルともいえる「太陽の塔」についての展示や会場内外で販売されていた記念品、各パビリオンを華やかに彩ったスタッフのユニフォームなども興味深い。


おとな旅 大阪

おとな旅 大阪

 電話 :06-6877-7387
 住所 :吹田市千里万博公園
 開業時間 :10:00~17:00(入館は~16:30)
 休館日 :水曜(祝日の場合は翌日)
 料金 :210円
 アクセス :大阪モノレール・万博記念公園駅/公園東口駅から徒歩15分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 大阪』 P.50)


太陽の塔を中心に広がる緑の風景

■自然文化園(しぜんぶんかえん)

太陽の塔の西側は森と里山、東サイドには芝の広がる平野をイメージした風景が広がる。彫刻家、イサム・ノグチ氏が設計した噴水塔が置かれた「夢の池」、美術作品14点が展示される「現代美術の森」、造園から半世紀以上の時が経ち、より豊かに成長した森を立体的に散策できる森の空中観察路「ソラード」、三面に張った鏡を通して木々を観察する「森の万華鏡」など、楽しい仕掛けとともに多彩に森や植物に触れることのできる施設となっている。


おとな旅 大阪

 電話 :06-6877-7387(万博記念公園コールセンター)
 住所 :吹田市千里万博公園
 開館時間 :9:30~17:00(入園は~16:30)
 休園日 :水曜(祝日の場合は翌日)
 料金 :260円(日本庭園と共通)
 アクセス :大阪モノレール・万博記念公園駅から徒歩5分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 大阪』 P.50)


体験型のエンタメ施設からショップまで揃う

■EXPOCITY(エキスポシティ)

万博記念公園のすぐ南に広がる大型コンプレックス。日本1の高さを誇る大観覧車に、ドローンやVRなどのデジタル技術を使ったゲームで遊びながら学べるREDEE(レディ)、動物園や水族館、美術館が合体したNIFREL(ニフレル)といった体感型のエンターテインメント施設に加え、300ものショップやレストラン、フードコートなどを備えるららぽーと、映画館の109シネマズなど、1日ではとても遊びきれない規模の施設が揃っており、地元の人々や旅行者など、年齢や性別を問わず人気を集めている。


おとな旅 大阪


 電話 :06-6170-5590(代表/10:00~18:00)
 住所 :吹田市千里万博公園2-1
 開業時間 :施設により異なる
 休業日 :施設により異なる
 料金 :施設により異なる
 アクセス :大阪モノレール・万博記念公園駅から徒歩2分
 駐車場 :あり
(『おとな旅プレミアム 大阪』 P.51)


*施設や店舗の営業などは事前にご確認ください。


画像素材: PIXTA 他


【LINE公式アカウントでも配信中!】
特集記事はLINE公式アカウントでも配信中です。ぜひ「友だち追加」してください

友だち追加