Vol. 08

ラベンダーの咲く丘花色に染まる初夏の富良野・美瑛

富良野といえば、ドラマ『北の国から』と
ロマンチックなラベンダー畑が有名だ。
富良野は7月にラベンダーの花の最盛期を迎える。
海外をも魅了する鮮やかな紫のカーペットと
美瑛のパッチワークの丘で北の自然美に酔う。

日本のラベンダーの始まりは北海道

 

北海道のほぼ中央に位置する富良野地方。7月中旬になれば地方を象徴するラベンダーが大地を一斉に紫に染め、甘い芳香を振りまく。ラベンダーの花の香りには心をリラックスさせ、身体のリズムを整える効果があるという。花のエキスは香水やアロマオイルなどに利用されている。原産地は地中海で、日本では昭和15年(1940)年に北海道札幌市で化粧品の原料用に初めて栽培された。  
北海道が栽培地となったのは緯度や低湿な気候が原産地に似ているためだ。やせた傾斜地でも育つことから、富良野の丘を利用した栽培が徐々に盛んになった。昭和45年(1970)に栽培面積のピークを迎えるが、安い輸入香料の台頭でラベンダー畑は一気に減少してしまう。そんな折、国鉄(現JR)のカレンダーに中富良野町のラベンダー畑の写真が紹介されると来訪者が次第に増え、再びラベンダー栽培が息を吹き返した。今ではポプリやオリジナルコスメ、スイーツなど花の用途が広がり、観光用の農園も生まれている。  

    

初夏の色に包まれる「花人街道」をゆく

富良野のラベンダーの開花期は6月下旬から8月上旬。早咲きの品種から遅咲きへと2カ月かけて咲き継がれる。富良野ではこの時期、ほかにも多彩な花々が一斉に咲き誇る。赤いポピーやピンクのコマチソウ、白いカスミソウなどが虹色のカーペットとなって丘の花畑を鮮やかに染め上げる。富良野市から美瑛町を通る国道237号は、多くの花畑が点在する「花人街道」。施設豊富で人気のファーム富田、リフトからラベンダーと十勝岳を望む中富良野町営ラベンダー園、展望台のワイドな眺めが自慢の日の出公園、ラベンダービューが楽しめるフラノ寶亭留など、それぞれに趣向を凝らした花畑で観光客を出迎える。7月14日には中富良野町営ラベンダー園、翌日15日には日の出公園でそれぞれラベンダーまつり&花火大会が催され、ステージショーや出店、花火などで盛り上がる  

 

ラベンダーを列車の窓からのんびり楽しむのもいい。観光列車の富良野・美瑛ノロッコ号が、6月上旬から8月下旬の土・日、祝日に富良野線富良野駅~美瑛駅間で特別運行される(一部旭川駅まで運行)。ファーム富田から徒歩7分の場所には臨時列車のみ停車する「ラベンダー畑駅」もお目見えする。大きな窓から富良野・美瑛の花畑や田園風景に酔いしれながら美瑛までの列車の旅を楽しもう。

 

農作業が描き出す美瑛の丘のアート

富良野地方最北部の美瑛町は「丘のまち」として知られる。十勝岳連峰のすそ野から延びるなだらかな丘陵地には四角い野菜畑や花畑が広がり、大地にパッチワークのような模様を描き出す。十勝岳の火山活動と農業の営みが創り出した風景だ。美瑛の丘が広く知られるきっかけは、約50年前に発表された風景写真家・故前田真三氏の作品。ヨーロッパの田舎を思わせる壮大で牧歌的な風景が写真集や絵はがきなどで紹介されて評判を呼んだ。「パッチワークの路」の途中、一本の木が丘にたたずむ情景がテレビコマーシャルに使われて、さらに人気に拍車をかけた。  

 

作物が描くパッチワークの模様は日々変化する。春は野菜の緑の葉に覆われ、夏にはジャガイモの白や紫の花や小麦の黄金色が加わる。四季彩の丘、ぜるぶの丘などのカラフルな花畑も点在する。絶景を前に無我夢中でシャッターを切りたくなるが、畑への立ち入りは禁物だ。靴底の菌が作物の病気蔓延の一因となっている。  

 

パソコンの壁紙ですっかり有名になった白金青い池は、美瑛駅から県道966号で白金温泉へ向かう途中にある。立ち枯れた木々のたたずむコバルトブルーの水面がいかにも幻想的。団体客の少ない早めの時間帯をおすすめする。


画像素材:PIXTA 


【LINE@でも配信中!】
特集記事はLINE@でも配信中です。ぜひ「友だち追加」してください。

友だち追加