Vol. 05

『出雲国風土記』に記された神山新緑の風薫る 大山周遊の旅

その優美なたたずまいから、
「東の富士、西の大山」と謳われる秀峰・大山。
開山1300年を迎える記念の年に、
新緑のドライブへ出かけ、
大山の悠久の歴史と自然を謳歌する。

さまざまな顔をもつ霊峰・大山

鳥取県西部の中央にそびえる大山は中国地方の最高峰で標高は1709m。最高地点は剣ヶ峰の1729mだが、縦走路の崩落で立ち入りが禁止されており、一般には弥山の1709mを頂上としている。西斜面はなだらかな裾野がのび、伯耆富士の異名にぴったりの秀麗な姿を見せる。一方で、北壁と南壁には険しい山ひだや急崖が荒々しくそそり立つ。見る方向によって異なる多彩な表情が、大山の魅力のひとつだ。  

 

単独峰で威風堂々とたたずむ姿が古代より山岳信仰を生み、出雲神話の舞台にもなった。奈良時代に編纂された『出雲国風土記』の冒頭の物語「国引き神話」に、大山が火神岳の名で登場する。出雲の創造神・八束水臣津野命が国を広げようと周囲の土地を綱で引き寄せた際、綱を繋ぎとめた杭が大山だったという。  

 

開山1300年の今年はイベント目白押し

大山が信仰の場として開かれたのは、奈良時代の718年とされる。『大山寺縁起』では、金蓮上人が山内に地蔵権現を祀って開山し、大山寺の起源を興したと伝えている。大山寺は山岳仏教の聖地となり、最盛期には山内に100以上の寺院が建ち並ぶ繁栄を見せたという。今も麓に暮らす人々は大山へ畏敬の念を抱いている。人々を見守り、恵みをもたらす山へ、「大山さんのおかげ」と感謝の言葉を口にする。  

 

2018年の今年は、大山の開山から1300年となる記念イヤーだ。大山周辺地域では、多彩な記念イベントが一年を通して計画されている。大山寺地域では、特別法要やたいまつ行列などの特別神事や記念行事を催行する。自治体や民間団体による「大山の恵みを感じるプロジェクト」「緑のプロジェクト」「水と食プロジェクト」の3つのプロジェクトも実施。大山とその周辺の歴史、森・星などの美しい自然、豊富な食の恵みを楽しく体験できるイベントが各地で盛大に催される。  


新緑の大山をドライブする

 

里や海を潤す豊かな自然も大山の魅力。西日本最大級のブナの原生林が広がり、秋に真っ赤なかわいい実をつける特別天然記念物のダイセンキャラボクなどの貴重な自然に恵まれ、一帯が大山隠岐国立公園に指定されている。
森が芽吹き、新緑に包まれる4月下旬から5月中旬頃は、大山が一年で最も生命力にあふれる季節。高原の風が爽快なこの時期は、ドライブでその自然美を満喫したい。

 

大山をぐるりと1周する大山環状道路は、大山の雄姿を多方向から眺められ、のどかな高原風景も楽しめる人気のドライブコースだ。なかでも、大山寺から桝水高原を経て鍵掛峠に至るルートには、大山の魅力的な景色が詰まっている。聖地・大山寺では、地蔵菩薩を祀る朱塗りの本堂を参拝し、日本一長い石畳の参道を歩いて大神山神社奥宮まで登ろう。大山中腹に建つ奥宮は、山頂を拝む古代の遥拝所が起源とされている。桝水高原では、大山西側の優美な「伯耆富士」や日本海と島根半島を見晴らす絶景が待っている。
国道158号線のブナ林のトンネルを抜けて、大山南壁を一望する景勝地・鍵掛峠へ。南壁の荒々しい岩肌と木々の緑のコントラストが目を楽しませてくれる。ドライブ途中、大山まきばみるくの里で味わうソフトクリームなどの高原グルメも魅力的だ。時間と体力に余裕があれば、トレッキングなどの高原アクティビティも楽しみたい。  


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