Vol. 01

桜咲く季節に日本三景の名勝 松島を訪れる

東北の地に桜前線が訪れるのは4月半ば。
九州や関東より少し遅れてやってくる春の彩りは、寒さ厳しい冬を乗り越えた分、いっそうの喜びに満ちているようにも感じる。
千々の島が浮かぶ美しい海を、満開の桜がさらに飾る、春の松島へ。

松島の桜の名所は 西行法師ゆかりの地

すぐ目の前の斜面が桜のピンクに染まり、その先に春霞みにけぶる緑の島々と海を望む。この絶景に出会えるのが、日本三景のひとつに数えられる松島にある西行戻しの松公園だ。桜はソメイヨシノとオオシマザクラが約260本、例年では4月下旬に見ごろを迎える。松島にはアクセスの便利な展望スポットは意外と少ないため、広々とした駐車場のあるこの公園は春以外の季節にもおすすめの場所だ。車で仙台から向かう場合は松島に着く手前になるため、ここで松島湾全体の展望を楽しんでから松島観光を始めるとよいだろう。徒歩でも訪れることはできるが、JR松島海岸駅から20分ほど坂道を上ることになる。
公園の片隅には名前の由来となった大きな松の木が立っている。12世紀末、長く続いた平安の貴族の世が終わろうとしていたとき、西行法師は縁戚でもある奥州藤原氏が治める平泉へと旅をした。松の木の下で出会った童子と禅問答となり、童子の答えの意味を理解できなかった西行法師は、童子ですら計り知れない知恵を持つ土地であれば訪れても恥をかくだけと、恐れをなして逃げ帰ったのだという。実際に松島を訪れたかどうかは定かではないそうだが、展望を楽しんだあとは西行法師の轍は踏まずに、松島観光へと繰り出そう。

のんびりと松島を散策 遊覧船やグルメも楽しもう

伊達政宗ゆかりの瑞巌寺や五大堂、美しい庭園が広がる円通院、百人一首にも登場する雄島など、松島観光の中心は徒歩でまわることができる。松島には浄土信仰の霊場としての一面もあり、瑞巌寺参道の洞窟群や雄島にある宝塔が納められた岩窟にその名残が見つかる。
また、なぜか恋愛に関わるご利益スポットも多く、雄島に架かる渡月橋「別れ橋」でこれまでの悪い縁を断ち切り、福浦島へ架かる福浦橋「出会い橋」で新たな出会いを求め、五大堂に架かる透かし橋「縁結び橋」で相手を見つめ直すのだとか。仕上げは円通院にある縁結び観音で。
遊覧船に乗って、大小、形もさまざまな松島湾に浮かぶ島々を間近に眺めるのも一興だ。桜の季節に訪れるならば名物のカキにはやや遅いが、それでも穴子をはじめとする豊かな海産物を楽しめる。

松島とともに訪れたい 桜に包まれた塩竈の古社

松島から鉄道で10分ほど、遊覧船でもアクセスできる塩竈にも桜の名所がある。奈良時代以前から続く陸奥国一宮、鹽竈神社は境内にしだれ桜やソメイヨシノなど300本余の桜が植えられ、4月下旬の花盛りになると大勢の花見客が訪れる。4月第4日曜(2017年は4月23日)の花まつりでは、満開の桜の下、おごそかな神輿渡御が行なわれる。国の天然記念物に指定されている八重の花弁が美しい塩竈桜は開花がやや遅く見ごろは5月上旬とずれるため、やや時期を外れての訪問でも桜を楽しむことができる。
塩竈はまた、多くの寿司店が並ぶ寿司の町でもある。全国有数の水揚げ量を誇る漁港である塩釜港を背景に、近海、遠洋問わず新鮮なネタが豊富にそろう。花見に訪れた際はぜひ一緒に楽しみたい。

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